蒼海館の殺人(★★★★☆)

蒼海館の殺人 (講談社タイガ)

蒼海館の殺人 (講談社タイガ)

■あらすじ
学校に来なくなった「名探偵」の葛城に会うため、僕はY村の青海館を訪れた。 政治家の父と学者の母、弁護士にモデル。名士ばかりの葛城の家族に明るく歓待され夜を迎えるが、激しい雨が降り続くなか、連続殺人の幕が上がる。刻々とせまる洪水、増える死体、過去に囚われたままの名探偵、それでも――夜は明ける。新鋭の最高到達地点はここに、精美にして極上の本格ミステリ

■感想
青海館で起こる殺人事件と洪水による災害に巻き込まれた田所。落日館での事件をきっかけに探偵であることをやめてしまった葛城を説得するが拒絶されてしまう。ボリューミーなだけあって読みごたえも抜群。首のない死体が出た時点で色々と疑わしい点が出てきましたが、犯人の巧妙な誘導によって事件が仕組まれていることにゾッとしました。
再起してからの葛城が見違えるようで、結構早くから犯人を確信してたと思うと辛い展開だったなと。ラストの泣いている葛城にそっと寄り添う田所、という二人の関係性が好きです。要所々々で場を和ませる三谷がグッジョブ。また続きが出るなら読みたいです。