九龍後宮の探偵妃

九龍後宮の探偵妃 (星海社FICTIONS)

■あらすじ
龍光国の都・哭安に暮らす紅玉のもとに、宮廷からの使者がやってきた。紅玉は将軍を父に持つ高貴な身でありながら、死者の死因を明らかにせずにはいられない悪癖があり、その探偵っぷりの噂は宮廷にまで届いていたのだ。招かれた九龍後宮で紅玉を待っていたのは、見目麗しい宦官の緑文と密室状況で顔面を潰された惨殺死体。無罪を唱える3人の妃から、紅玉は犯人を突き止めることを迫られる。死を恐れるがゆえに死を解明する“探偵妃”が謎解きに挑む、中華後宮ミステリー!

■感想
表紙の可愛らしさに惹かれて購入。死者の死因を明らかにせずにはいられない少女が後宮で起こった殺人事件を解明することに。正に何から何まで偽りだらけの後宮、こんな環境の中で真摯に事件と向き合うとする紅玉が逞しい。ストーリーが進めば進む程後宮の闇が明らかになっていき、伏線が回収される運びはお見事。
幼い頃に離ればなれになった幼馴染と再会してその正体を知る、というのは王道ながらもキュンとくる展開。色々なことから逃げていた緑文も紅玉が傍にいてくれるなら大丈夫でしょう。過保護な李黄が良い味出してました。