首無館の殺人(★★★★☆)

首のない死体が一つ。浮遊する首が一つ……。没落した明治の貿易商、宇江神家。 令嬢の華煉は目覚めると記憶を失っていた。家族がいて謎の使用人が現われた。館は閉されており、出入り困難な中庭があった。そして幽閉塔。濃霧たちこめる夜、異様な連続首無事件が始まる。奇妙な時間差で移動する首、不思議な琴の音、首を抱く首無死体。猟奇か怨恨か、戦慄の死体が意味するものは何か。首に秘められた目的とは。本格ミステリー。

シリーズ2冊目。探偵役のシズカが相変わらずクール、首無死体を目の当たりにしても動揺しない上に殺人を防ぐ対策として顔の皮を剥ぐことを提案するとは…。今回は語り手が記憶喪失だった為、始終視点があやふやで信用していいものかと疑いながら読み進めました。キーポイントは「入れ替り」、しかも結構大掛かりな「入れ替り」でした。
残された人はお互い家族として平和に暮らしてほしいです。最後のとある人からの手紙が切ない、個人的にはあの人と夫婦になって生きてほしかったけど。