路地裏で拾った女の子がバッドエンド後の乙女ゲームのヒロインだった件

■感想

乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した主人公・アッシュ、何故か雨の日にバッドエンドルートを迎えている正ヒロイン・フィーネに出会ってしまい···。

表紙の心細そうなフィーネのイラストの繊細な雰囲気が素敵でした。正ヒロインの筈なのに攻略キャラ達からも嫌われた仲間外れの少女をモブキャラが颯爽と救済していく気持ちの良いざまぁ展開であっという間に読了。

アッシュもフィーネも良い子なので素直に応援したくなります。最後二人のダンスで良い締めくくりだなと思いきや、意外としぶとい第二王子がまだ反撃しそうなのでぜひ再度思いっきり蹴散らしてほしい(笑)

陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・怨鬼の章―

■感想

神楽面に取り憑かれた人々が各地で事件を巻き起こす現象が発生、美郷達も応援要請を受けて派遣されることになるが···。

久しぶりの新巻にワクワクしながら読了。今回は広瀬視点が多く、学生時代に何も言わずに卒業してしまった美郷に対しての寂しさを吐露している場面があってちょっとしんみり。逆に美郷も蛇が苦手な広瀬に気遣っていたりとお互い優しいが故にもどかしい感じでした。

美郷が異界に行った時の描写が幻想的で良き。白太さんの可愛さと怜路のフォローの上手さは相変わらず、気になるところで終わってしまったので続きが待ち遠しいです。

ポンコツスキルしか使えない悪役魔女だけど、テイムしたパリピなスライムたちと強く生きます! 1

■感想

ある日前世の記憶を思い出した村娘・エルは自分が乙女ゲームの悪役魔女であることに気づく。破滅を回避するためにスライムと共に街中の食堂でスローライフを目指すが···。

魔族であることから村を追い出されてしまうがポンコツスキルを駆使して一生懸命生きるエルが逞しくて応援したくなる。チートではなくてコツコツと強くなっていくのもご都合主義感が薄くて良かった。本来は攻略キャラであるロータスとの遠慮のない距離感も妹と兄のようでニマニマ、ラブコメとしても好みの一冊。ちらっとしか出てないヴェジャーシャ側も気になるので続刊希望。

 

転生した私は幼い女伯爵1 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです

■感想

前世がアラサーOLだったマルティーヌは父の死をきっかけに伯爵家の当主になることに、未成年のマルティーヌは後見人が必要な為冷徹と噂の公爵に頼むことになるが···。

汎用性の高い成形魔法が使える上に前世の知識を駆使して飯テロを繰り広げるマルティーヌさん無双状態では。父親がクズだっただけにレイモンやローラなどきちんと支えてくれる人達に恵まれて良かったです。

個人的にはクールなようでいてマルティーヌの開発したお菓子に首ったけの公爵がチャーミングでお気に入り。マルティーヌにはぜひこのまま突き進んで自由に生きてほしいです。これからが楽しみな一冊でした。

冒険者酒場の料理人2

■感想

迷宮に生息する動植物を使って料理する酒場の店主・ヨイシの物語。今回も多彩な迷宮料理が登場、どんな癖のある物でも美味しい料理に変えてしまうヨイシの情熱と技術が伝わってきました。個人的には王侯蜂蜜を使ったお菓子が食べたくなりました。

進展がないと思っていたヨイシとアカルナニアの関係が···!アカルナニアの頑張りに拍手したい。そして終盤のユグドラとセフィの成長速度が凄い、材料が米なのも良いですね。寂しいですがこれで完結かな。

悪役御曹司の勘違い聖者生活4 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~

■感想

前回のフローネとの戦いで負傷してしまった右腕の義手を作るために「独立機械都市・エンカートン」に赴いたオウガ達だったが···。

フローネとの決戦前ということもあって、戦いの前に色々と進展があった巻でした。とうとう聖者の称号を授かったオウガ、ハーレム生活から遠のくかと思いきや4人のヒロイン達の気持ちときちんと向き合って嫁にすることに。そこら辺はおざなりにならずに決着が着いて良かったです。

新キャラのユエリィも気持ちの良いキャラで、父親の愛情がきちんと伝わってひと安心。最後はマシロがピンチになりそうな不穏な気配が···。

俺、悪役騎士団長に転生する。

■感想

前世は七人の弟の世話をする大学生だったが、なぜか処刑ルート直行の悪名高い騎士団長に転生してしまって···。

主人公・ジュスタンのキャラが魅力的、ある程度傲岸不遜な所も残しつつ前世の影響で兄貴分のような面倒見の良さも発揮していて非常にバランスが良かったなと。周囲との絆も芽生えて騎士団の皆との家族のような会話が微笑ましかったです。

逆に王太子の酷さが際立っていてジュスタンとの対比が分かりやすかった。無邪気な聖女に押されっぱなしのジュスタンが面白かったのでまた絡んでほしい。続刊希望です。