僕とモナミと、春に会う（★★★★☆）

僕とモナミと、春に会う (幻冬舎文庫)

人と話すことが大の苦手な高校生の翼は、なぜか毎週水曜日に熱が出る。病院の帰り道、偶然立ち寄った奇妙なペットショップで猫を飼うことに。餌代を稼ぐため、その店でアルバイトを始めるが、対人恐怖症の翼は接客ができない。そんな彼の前に、原因不明の病を抱えた客が現れて…。愛猫の手を借りながら、翼はお客様を救うことができるのか。
読んでいて心が温かくなるような癒し系のお話でした。私も極度の人見知りなので、人前に出ると緊張してしまう翼の気持ちはよくわかります。翼の生い立ちが思った以上に過酷だったけど、実の父親が翼をちゃんと愛していたことにはひと安心。あんな歪んだ家庭でなければ、翼たちもごく普通の幸せな家族でいられたのかな。翼の今の義理の両親が優しい人達で良かった。
第２話の「ワンダーウォール」は諸橋さんと奥さんが仲直りできて良かった。てっきり浮気かと思った…。翼もアルバイトを始めて逞しくなってきたなと感じました。モナミと出会って少しずつ翼の世界が広がっていくのがわかります。翼とモナミのやり取りも好きなので続きがあったら読みたいです。