僕と彼女のゲーム戦争10(★★★★☆)

周囲の同級生の間では進路という話題が出始め、どうせなら将来はゲーム関係の仕事に就けないかと、なんとなく考えていた岸嶺。そんなとき、権田原から人が足りないので練習試合に参加してくれないかと誘いを受ける。それと引き替えに、岸嶺は権田原に進路について相談を持ちかける。権田原はチームメンバーを招集して、悩める岸嶺にいくつかの進路を提示してくれるのだった。一方、現代遊戯部ではJGBCで上位に食い込むため、自分達の得意なゲームの大会に照準を絞っていた。そして迎えた大会の日、奮闘する岸嶺たちの前に強大なライバルたちが立ち塞がり―。
ついにシリーズ最終巻。ポケモンぐらいしかゲームはやらない私でも最後まで楽しんで読めたシリーズでした。進路という壁にぶつかりながらも、最後まで信頼できる仲間たちと大好きなゲームをやって燃え続けた岸嶺の高校生活は輝いていたと思います。しかしプロのゲーマーとして活躍しなければ後がない権田原の切実な事情が世知辛い…、その気迫があの最後の試合に繋がっているのですが。最後は残念でしたが、岸嶺たちにとっては完全燃焼の試合だったので仕方ないかな。
恋愛の方は決着つかず、でしたがその方が想像の余地があって良かったかもしれません。前巻でのデートや大学が同じだったこと、進路の相談をした時に「杉鹿が他の男子生徒の教師になるのはなんか嫌だな」 という岸嶺の呟きからして杉鹿が一歩リードのように感じましたが。それぞれがゲームに関わる仕事をしていたのも嬉しかったです。師走先生お疲れ様でした!