いつかの空、君との魔法(★★★★☆)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。雲を払えるのは“ヘクセ”と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の“ヘクセ”揺月と再会する。しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で…?「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。第21回スニーカー大賞“優秀賞”受賞作。
これは良作。過去に幼馴染である揺月が自分を庇ったことで病になり、ずっと負い目を感じているカリム。並外れた飛行技術を持っているのにもかかわらず、なかなか本気を出さないカリムにやきもきしました。揺月を支えるためにたくさんの思いを抱えながら飛んで行くカリムがかっこよかった。揺月は揺月で本当は仲良くしたいのにいつまでも過去を引きずっているカリムに苛立ってしまい素直になれない、すれ違いばかりでしたが最後にまた元通りになって良かった。空を飛べるのは子供の時だけ、ということなので今の時間を大切にしてほしいですね。
個人的にはもう一人のヒロインであるレイシャにも頑張ってほしい、こういう一生懸命な子を見ると応援したくなります。綺麗にまとまっているのでこの話はこれで終わりかな?次作も期待してます。