異世界居酒屋「のぶ」(★★★★☆)

異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)

異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)

居酒屋「のぶ」の正面入口は、なぜか異世界に繋がっている。古都と呼ばれるその街には中世ヨーロッパのような、しかし全く別の文化が息づいていて、そこに住む衛兵たちや貴族、聖職者、ギルドのマスターなどが、今日もこの居酒屋の暖簾をくぐる。彼らは今まで味わったことのなかった“トリアエズナマ”という冷えた酒に驚き、未体験の料理に舌鼓を打つのだ。新感覚の異世界グルメファンタジー
最近「食」にまつわる小説がブームですが、本著も例に漏れず居酒屋が舞台になっている。「異世界食堂」と同じく短編形式で、各エピソードごとに登場人物も料理も変わってくる。個人的にはお酒はあまり飲まないので、仕事終わった後の「トリアエズナマ」は「トリアエズウーロン茶」になりそうです…。
どの料理も美味しそうで、ついついお腹が空いてくるような描写はさすが。
そこで働く大将やしのぶやエーファのキャラも魅力的。特にラガーの事件で皆が一致団結して居酒屋のぶを守ろうとしたエピソードにはほっこりしました。ゲーアノートのナポリタンに対する熱意がすごい(笑)最後は大将としのぶが居酒屋を開くまでの経緯が語られており、しのぶが大将のことを「信之さん」と呼んでいたのは新鮮でした。なんかもうこの二人は夫婦のような貫禄があります。早く2巻も文庫落ちしてくれないかな。