きみのために青く光る(★★★★☆)

きみのために青く光る (角川文庫)

きみのために青く光る (角川文庫)

青藍病。それは心の不安に根ざして発症するとされる異能力だ。力が発動すると身体が青く光る共通点以外、能力はバラバラ。たとえば動物から攻撃される能力や、念じるだけで生き物を殺せる能力、はたまた人の死期を悟る能力など―。思わぬ力を手に入れた男女が選ぶ運命とは。もしも不思議な力を手に入れたなら、あなたは何のために使いますか?愛おしく切ない青春ファンタジック・ミステリ!
心の不安が起因して発症する異能力によって奔走させられる人々を描く。「年収の魔法使い」以外は恋する少年が相手のために行動するお話でキュンとくる場面多し。一番重かったのは「この世界に二人だけ」。人を殺せる能力を持ってしまった空途とアヤメ、怯える空途に対して些細なことで能力を使って人を殺してしまうアヤメ。最後の空途の判断は苦渋の決断だったんだろう、いつか二人がまた笑い合える日がくるといいな。
「嘘をつく〜」はロマンチックで良い話でした。修の能力も精神的に辛い、でも最悪な展開が回避できてひと安心。最後に成長した拓実が登場したのが嬉しかった。静先生は最後まで謎でした、能力とか性別さえも不明。私は女性っぽいなと思いましたが。