血翼王亡命譚 (1) —祈刀のアルナ—(★★★★☆)

電撃文庫大賞・銀賞受賞作品。世界観やストーリー構成などの主要部分のレベルが高くてこれが大賞でも良かったんじゃないかなと思ってしまう程でした。あえていうなら最初の方は物語に入り込むのに若干時間がかかったな、というぐらい。
護舞官に任命されたユウファと王女であるアルナリスの不器用で切ない恋愛物語をしっかりと堪能しました。王女・アルナリスとしてではなくユウファに恋したただのアルナとして死んでいきたい、という最期のアルナの願いが痛切で胸に響きました。アルナの母親が自分勝手過ぎ、自分の恋が実らなかったからって娘を巻き込むなよ!アルナが可愛かっただけにただただ残念です。
イルナもスゥもベオルも皆良い子なので、アルナとの思い出を大切にしながらユウファには皆と一緒に旅を続けてほしいです。綺麗にまとまってますが「1」ということはこれで終わりではないのかな。うーん、気になるけどアルナがあれだし続きを読むのはちょっと恐いかもしれない。