星読島に星は流れた(★★★★☆)

異常な確率で隕石が落ちる星読島。天文学者サラ・ディライト・ローウェル博士は星読島で毎年、天体観測の集いを開いていた。ネット上の天文フォーラムで参加者を募っているのを見かけた加藤盤は凄まじい倍率をくぐり抜けて星読島に招待されたが…というお話。
トリックスターズ」シリーズが面白かったので読んでみました。この作品も作者さんらしいロジック満載で面白かった。トリックがどうのこうのというよりは、なんで被害者が殺されたのか、というホワイダニットが重要になってくる物語だったのではないかと。
個人的にはエリスが好きでした。体育会系の頼もしいお姉さんといった感じ。そして遠慮のない物言いながらも主人公の盤を心配するヨランダも素敵だなと思いました。博士から託された隕石をエリスたちに売って被害者たちの家族にお金を分配した盤の太っ腹な行動に拍手したい。サラ博士と盤の関係はなんか不思議な感じ、結果的に盤がサラ博士についていかなかったのは正解だろうけど。大切な妻と娘を交通事故で亡くししてしまう、という辛い過去を少し乗り越えた盤の今後が幸せでありますように。