悲しみのイレーヌ(★★★★☆)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

ヴェルーヴェン警部シリーズの一冊目。先に刊行された「その女アレックス」も読んでいたので最終的な展開はわかっていたけど後味の悪い終わり方でした。最後は犯人が主人公・カミーユに宛てた手紙で締めくくられていますが、憎たらしいったらありゃしない。犯人の完全勝利といった感じで、カミーユが「その女アレックス」で後ろ向きだった理由が嫌という程わかります。
第二部で物語に仕掛けられた大きな罠が判明します。このどんでん返しはさすが。でも怪しいな…と思った人物が見事に犯人で、しかもマレヴァルがやっぱり馬鹿だった…。殺人現場の描写が凄惨で苦手な方は注意した方がいいかも。一番好きなルイ、金持ちでセンスが良くて頭も良くて…しかも優しいとかカミーユが頼りにしてるのもわかる。アルマンは相変わらずだった。しかしなんでシリーズ一冊目であるこの本から刊行されなかったんだ?たと激しく突っ込みをしたい。今度はシリーズ三冊目の刊行がもっと早くなるといいけど。