お面屋たまよし(★★★★☆)

ずっと気になっていたので文庫版になったところで購入。面白かったです。普段は普通のお面売り、裏では好きな姿に化けられるお面を売り歩いている。しかし負の感情に傾けば人ならぬものになり二度と元に戻れない。そんな人たちの始末をするのも太良と甘楽の役目、やりきれない場面もありながら二人の成長を見守る天狗たちと育ての親である仁王次との交流が微笑ましい。血は繋がってないけど甘楽を兄ののように慕う太良が可愛かった。「御招山からの使者」に出てきた迅雷も可愛いくてまた太良たちと絡んでほしいなと思ったり。良い人なのに負の感情に取り込まれてしまった勘助が不憫、お菊がダメ女過ぎて最悪だった…。
個人的にお気に入りなのは「枯れない花」。お勝のように自分をしっかりと持っている女の子が好きです。太良たちにとってもこういう結末がベストなんだろうな。見た目に左右されず内面をみて人を判断する兵太郎も素敵。この二人の恋模様が気になる。2巻も早く文庫にならないかな。