悪鬼のウイルス(★★★☆☆)

【文庫】 悪鬼のウイルス (文芸社文庫 に 2-2)

【文庫】 悪鬼のウイルス (文芸社文庫 に 2-2)

「郵便配達人シリーズ」と 「一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常」が面白かった二宮さんの新作、表紙からしてグロいんだろうなぁと思ったらやっぱり適度にグロかった。子供たちによって村は支配され、大人たちは支配される側として徹底的に虐げられている。そんな村に遊び気分で来てしまった男女四人に残酷な仕打ちが待ち受ける…というお話。
「腐り鬼」のからくりが思った以上にあっさりで拍子抜け、最後は大人も子供も和解したっぽいけどそうなるまでの過程で殺された部外者はたまったもんじゃないよね。シンとマイには死ではなくて自分たちがしたことをきちんと背負って生きていってほしかったな。ヨウはひたすら不愉快だったのでああいう結末で正解だと思う。
智樹と日名子に距離ができてしまったことは残念。せっかく自分を見失わずに生き抜いたのに。それとは反対に予想通り闇落ちしてしまった奈々枝は生きにくくなるでしょう。中途半端なバットエンドというべきか。