樫乃木美大の奇妙な住人 長原あざみ、最初の事件(★★★☆☆)

美大が舞台の青春ミステリ。美大ならではの描写を読むと面白そうだな〜と感じつつも、せっかくの設定を生かしきれずに平凡な内容におさまってしまっているのが残念。つなまらない訳じゃないけどあくまで普通。
ミステリ部分よりも内気でぼっちを自称する主人公・あざみが梶谷と出会って少しずつ成長していく過程の方が読んでて面白かった。過去に自分をいじめていた女子にきちんと言い返していたところとか梶谷の濡れ衣を晴らす為に先生たちの前で犯人を糾弾したところとか。最後の事件の犯人にまったくといっていいほど反省の色が感じられないのにはムカッときた。梶谷も梶谷でなんだかな〜と思ってしまう、あざみがきちんと成長したんだから梶谷も少し成長したら?個人的には橘が好きでした。予想はついてたけどあざみの恩人はやっぱりなオチ。