■感想
不運の連続の影響で愛する家族を失った上に無能者と蔑まれて処刑されることになってしまった青年男爵・タクヒール。しかし死に際に時空魔法が発動して幼少期からやり直すことになり···。
愛する家族を守る為に前世の知識があるとはいえ幼い頃からたくさんのことを抱え込んでいるタクヒールが少し心配でしたが、優しい家族や彼の一生懸命な姿に感化されて家宰のレイモンドやメイドのアンが支えてくれていたのでほのぼのとした気持ちで読めました。閑話の「一番の崇拝者」が好き。
設定もしっかりしていて迫りくる厄災に対して伏線を何本も用意しながら着実に乗り越えていく展開が見事でした。前世と違った道を辿っているしわ寄せが不安です。