復讐の聖女(★★★★☆)

復讐の聖女 (角川スニーカー文庫)

復讐の聖女 (角川スニーカー文庫)

十五世紀フランス。火刑台に散ったはずのジャンヌ・ダルクは蘇った。自分を陥れた者たちに復讐するために――。 ジャンヌの処刑裁判で書記官を務めた青年ギョームは、罪なき彼女を救えなかったことを悔やんでいた。「あの裁判の不正を、俺は正さなければならなかった……なのに」懺悔に訪れた修道院で、ギョームは蘇ったジャンヌに出会う。【真実を語らせる力】を見込まれ、ジャンヌを敗北へ導いた裏切り者を探すことになったギョームだが、その復讐は凄惨で――「次の相手を早く殺せ、という神の声が聞こえるのだ」不死身の聖女と、真実を求める青年の、復讐と贖罪の物語。

蘇ったジャンヌによる復讐の物語。あとがきで著者が触れている通り確かにジャンヌが復讐者として自分を陥れた人々を殺していくスタイルは珍しい。全体的に手堅くまとまっているなと。ジャンヌの復讐の裏にある真意にジーンときた、こんな優しい子だからこそギョームも助けたいと思うようになったんだろうな。
黒幕は取り逃がしてしまったので続きがあるのかな?少しでも母親と再会できて良かったね。結局のところジャンヌに復讐させようと突き動かしているのは「神」によるものなのか、そこら辺が気になりました。オーヴィエットは癒しですね、食べることが大好きなジャンヌも年相応で可愛かったです。