異能バトルは日常系のなかで 13(★★★★☆)

「さあ、始まりの終わりを始めよう」日常と異能が交わり、物語は引き返せない『最終巻』へと突入する。結局どれだけ取り繕おうと、この物語は虚構だった。全ては誰かが書いた欺瞞の積み重ねでしかなく、砂上に描かれた絵のように儚く消えゆくだけの一夜の夢でしかなかった。俺もみんなも、所詮は創作されたキャラクターに過ぎないのだろう。宙ぶらりんのまま忘れ去られようとしていた物語は思い出したように終わりを迎える。絵にも描けないぐらい眩しく輝く黒歴史に一つの終止符が打たれる。観客のいなくなった舞台でそれでも叫び続けよう。「俺達は本物だ。虚構じゃない」『厨二病』エンタメ、堂々大団焔!

シリーズ最終巻。結局のところやがて人は成長し、「厨二病」から離れていく。安藤や桐生もそれは同じで痛いけれど楽しかった思い出として心の底にしまってほしいなと。最後の桐生のグダグタぶりに思わず苦笑、今まではラスボスの風格があったけど安藤に本当の気持ちを言い当てられてからは普通の人にしかみえない(笑)
各ヒロインとのエピソードがあったのが嬉しい。灯代の豹変っぷりが極端だなぁ、可愛いけどめんどくさそう…。最後に安藤が付き合うことになった彼女については「ご想像におまかせ」になってましたが、順当にいけば灯代なのかな。何はともあれ長い間お疲れ様でした!