白銀の逃亡者(★★★☆☆)

白銀の逃亡者 (幻冬舎文庫)

白銀の逃亡者 (幻冬舎文庫)

深夜の救急医療室で働く岬純也のもとに、白銀の瞳をもつ美少女・悠が現れる。致死率95%の奇病から生還した「ヴァリアント」である悠は、隔離地域「憩いの森」からの脱走者だった。ヴァリア ントに異常な憎悪を抱く刑事・毛利の追跡が迫る中、悠は反政府組織が企む「ある計画」を純也に明かすのだが―というお話。
あからさまにヴァリアントを差別する人間に嫌悪感を抱いたけど、実際にこんな病気があったら私も同じような反応をしてしまうんだろうな…。純也の見事な巻き込まれっぷりには同情してしまう、でも無理に隠して生きるよりも堂々と生きる方がいいと思うので良いきっかけになったと思いたい。弟も和解できたようだし良かった。お父さんの行動は医師としてというよりは父親として素晴らしいと思う。
色々とあの人には違和感があったので真相には驚きはしませんでした。城ヶ崎の言葉には胸に響くものがありました。狸おやじとのコンビも好きです。ラストは切なかったですが、まだ課題は残っているものの希望のある終わりかたで良かったです。