涼宮ハルヒの直観(★★★★☆)

■あらすじ
初詣で市内の寺と神社を全制覇するだとか、ありもしない北高の七不思議だとか、涼宮ハルヒの突然の思いつきは2年に進級しても健在だが、日々麻の苗木を飛び越える忍者の如き成長を見せる俺がただ振り回されるばかりだと思うなよ。だがそんな俺の小手先なぞまるでお構い無しに、鶴屋さんから突如謎のメールが送られてきた。ハイソな世界の旅の思い出話から、俺たちは一体何を読み解けばいいんだ?天下無双の大人気シリーズ第12巻!

■感想
シリーズ12冊目。久しぶりの新巻はミステリ色強めで面白かったです。初詣のお話と七不思議作りは何だかんだいって青春してるSOS団が眩しい。メインの「鶴屋さんの挑戦」は序盤からの古泉とTによるミステリ談義に置いてきぼりにされました(笑)いつも裏方にまわる古泉が珍しく積極的に行動していたのが新鮮。
鶴屋さんの貴重な幼い頃のエピソードは興味深かった、バイタリティーが凄いお嬢様。ミステリとしても普通に分かりやすくて面白かった。そして推しの長門が相変わらずキョンにだけ意思表示する場面がたまらなく好き。最後は少し次回への不穏な伏線もあったのでゆっくり待つことにします。

友人キャラは大変ですか? (10)(★★★★☆)

■あらすじ
ソロモンと化した阿義斗によって、龍牙が能力を封じられちまった!やむなく俺は「代理主人公」をつとめることになるのだが…お袋いわく、鬼には秘められた能力があるらしい。それは、口づけした相手から異能を借り受ける力で、人呼んで「窃吻」―っておいコラ、なんだそのトラブルの予感しかない能力は!!龍牙と四神ヒロインズ、あと三姫まで俺を睨んでるから!これ、ハーレムラブコメ主人公しか許されないやつだから!―最後まで、笑って泣いて、熱くなれる最強助演コメディ。ここに堂々のフィナーレ!!

■感想
シリーズ10冊目。前回のラストからどうなることかと思いきや最後までコメディで押し通していて始終安定した面白さでした。阿義斗によって能力を封じられてしまった龍牙たち、ずっと友人キャラでいたかった一郎が自ら主人公として動こうとするのに少しの成長を感じました。友人キャラに関しては見事にバエルがかっさらっていきましたね、彼の誠実さによって阿義斗が救われた展開も良かったです。
そして正妻争いは決着がつかず、bookwalkerの特典小説では一郎には無限の可能性がありそう。個人的には魅怨と一緒になるのが一郎も一番落ち着けそうだと思いますが。まさかのレイダさん参戦(笑)番外編でもう1冊出してほしいですね。

席替えから始まるハイスペック陰キャのリア充への道(強制)(1) (★★★★☆)

■あらすじ
鷹宮仁はクラスで目立たない存在、いわゆる陰キャと呼ばれる生徒だ。そんな仁は席替えにより天真瀾漫な性格と抜群のスタイル、圧倒的な容姿で人気を誇る白花朝姫と席が隣になったことで注目を集めるようになってしまう。しかも朝姫がきっかけで、仁は次第に隠していた“ハイスペック”を引き出されてしまって…。隣になったのが運の尽き!?目立ちたくない男とクラスのアイドルが織りなす、ドタバタラブコメディ!

■感想
席替えによりクラスのアイドル・白花朝姫と隣になった陰キャの仁。あまり関わりたくないのに天真爛漫な朝姫に話しかけられて、気がつかない内に仲良くなっていく。漫才コンビのような二人の会話が面白い。陰キャのように見えて明らかにハイスペックの仁に翻弄されて少しずつ惹かれていく朝姫が可愛い。仁も要所要所で男前なところを発揮しているのでこれは惚れても仕方ない。
英虎との悪友関係も好きです、息のあった連携プレイがすごい。そしてまさか最初から仕組まれていたとは…、鈍感キャラじゃないので朝姫の気持ちにもしっかりと気付いている仁さんさすがです。英虎姉や仁の過去など伏線がまだ残っているので続きに期待してます。

声優ラジオのウラオモテ #03 夕陽とやすみは突き抜けたい?(★★★★★)

■あらすじ
「コーコーセーラジオ!」新コーナーも存外(?)の好評を博し、晴れておだやかな日常を取り戻した夕陽とやすみ。目下やすみの悩みは―仕事が無い!そんな崖っぷちに舞い込んだのは、夕陽主演・神代アニメの宿敵役!?やっとつかんだ大役に意気込んだのも束の間…「あんた今、周りに迷惑だから」「すげーやりづらかったよ」容赦なく突きつけられる、一流の壁。できない、苦しい、まだ足りない、でも「あんたにだけは」「あなたにだけは」「「負けられない!!」」突き抜けたいふたりの声優ラジオ、熱い声援を受けて、まだまだON AIR!!

■感想
シリーズ3冊目。今までで一番面白かったです。神代アニメで思わぬ役のオファーがきたやすみ、意気込みながらも現場で突き付けられる現実に空回りして悩んでしまう。そんな彼女にライバルとして、友人としてフォローする夕陽との友情関係にもグッときた。もがき苦しみながらもやすみが最後にみせた本気に胸が熱くなりました。
そしてとにかくめくるが可愛すぎる。乙女との食事会で迷走している時が面白い(笑)めくるの仕事のスタンスがすごくらしいなと思いつつも、突き抜けているところも見てみたい。次回も楽しみです。

氷の令嬢の溶かし方(1) (★★★★☆)

■あらすじ
「私に構わないでください」ぶっきらぼうながらも世話焼きな火神朝陽と心を閉ざし、他者を寄せ付けないことから“氷の令嬢”と呼ばれる氷室冬華。マンションの隣に住んでいるとはいえ、関わる機会がなかった二人だが、朝陽のお節介から冬華との関係性に変化が訪れ…。第8回ネット小説大賞受賞作!じれったくも甘酸っぱい遅効性ラブストーリー。


■感想
「氷の令嬢」の異名を持つ氷室冬華がマンションの隣に住んでいたことが発覚、ひょんなことから関わっていく内に心を通わせていく王道ラブコメ。朝陽は冬華に料理を、冬華は朝陽に勉強を教えてお互いを補いながら丁寧に関係が進んでいくのが甘酸っぱくてグッジョブ。冬華が何故他人との関わりを拒絶していたのかが分かるのは次に持ち越しかな。
クリスマスデートとか完全にカップルイベントを楽しんでいるあたり案外サクッと関係が進んだりして。息子想いの朝陽の両親も良いキャラしてました。お隣ラブコメが好きな方にはオススメです。

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3(★★★★☆)

■あらすじ
常夏の無人島を舞台に、全学年で得点を競い合うサバイバル試験がついに開始された。得点を得る方法は2つ。毎日一定時間ごとに指示される指定エリアを訪れることと、無人島内に設置された課題を条件通りにこなすこと。グループ人数が多いほど有利かつ、退学の可能性も減る試験内容。2週間という長丁場かつ、水や食料の補給も考える必要のある過酷な試験。さらに月城理事長代理は学年同士の小競り合いを試験中は容認するらしい。そんな中単独行動で状況を窺う綾小路だが、1年Dクラスの七瀬翼が同行を申し出る。メリットのない奇怪な行動だが七瀬の出方を知るため綾小路はそれを受諾。2人組での無人島走破が始まる!

■感想
遂に無人島でのサバイバル試験開始。単独行動をするはずの清隆だったが、途中で同行を申し出た七瀬と共に行動することに。七瀬はなぜ清隆を排除しようとしたのか、その理由が終盤で判明します。普通に優しい子じゃないか!このままいけば清隆にとって良い協力者になりそう。軽井沢は出番少なめですけどきちんと恋人っぽいことしてましたね~。
そして月城の暗躍から逃れることができるのか。一之瀬さん不運過ぎる…。最後の清隆と七瀬のやり取りが前向きな未来を示唆していると信じたい。やられっぱなしは嫌なので次は少しでもスカッとする展開があればいいな。次回に期待。

この素晴らしい世界に祝福を! よりみち2回目!(★★★★☆)

■あらすじ
今回は“異世界”にもよりみち!?文庫未収録の全10編!!ウィズが仕入れた魔道具で転移した先には、見慣れた日本の風景が広がっていた!?―『そうだ、異世界へ行こう!』暴走した嵐の大精霊を相手にアクセルの冒険者たちが“水着”で大暴れ!!―『レッドストリーム・エクスプロージョン!』「私…!私…!!カズマさんのコミュ力が欲しいっ!」カズマとゆんゆんがついに!?―『ぼっちをプロデュース!』入手困難だった限定特典に、カズマたちの日常の一幕や本編では明かされなかったダクネスとクリスの出会いなどを描く、スペシャル書き下ろしが詰まった、豪華な短編集第2弾!

■感想
短編集第2弾。今回はクリスとゆんゆんの出番が多めで嬉しかったです。皆でバカ騒ぎをしながらもちょっと切ない余韻があったのは「そうだ、異世界へ行こう!」カズマの置き土産が家族に伝わるといいな。「レッドストリーム~」でのアクアの空気読めなさはさすが(笑)それにしてもギャグ全開の話だった。
ぼっちを卒業したいゆんゆんが健気過ぎる、むしろ私が友達になりたいわ。でもカズマを見本にした時点で失敗が見えてるよね(笑)クリスとダクネスの友情関係にほんわかしました、エリス様気苦労多すぎですな。