声優ラジオのウラオモテ #03 夕陽とやすみは突き抜けたい?(★★★★★)

■あらすじ
「コーコーセーラジオ!」新コーナーも存外(?)の好評を博し、晴れておだやかな日常を取り戻した夕陽とやすみ。目下やすみの悩みは―仕事が無い!そんな崖っぷちに舞い込んだのは、夕陽主演・神代アニメの宿敵役!?やっとつかんだ大役に意気込んだのも束の間…「あんた今、周りに迷惑だから」「すげーやりづらかったよ」容赦なく突きつけられる、一流の壁。できない、苦しい、まだ足りない、でも「あんたにだけは」「あなたにだけは」「「負けられない!!」」突き抜けたいふたりの声優ラジオ、熱い声援を受けて、まだまだON AIR!!

■感想
シリーズ3冊目。今までで一番面白かったです。神代アニメで思わぬ役のオファーがきたやすみ、意気込みながらも現場で突き付けられる現実に空回りして悩んでしまう。そんな彼女にライバルとして、友人としてフォローする夕陽との友情関係にもグッときた。もがき苦しみながらもやすみが最後にみせた本気に胸が熱くなりました。
そしてとにかくめくるが可愛すぎる。乙女との食事会で迷走している時が面白い(笑)めくるの仕事のスタンスがすごくらしいなと思いつつも、突き抜けているところも見てみたい。次回も楽しみです。

氷の令嬢の溶かし方(1) (★★★★☆)

■あらすじ
「私に構わないでください」ぶっきらぼうながらも世話焼きな火神朝陽と心を閉ざし、他者を寄せ付けないことから“氷の令嬢”と呼ばれる氷室冬華。マンションの隣に住んでいるとはいえ、関わる機会がなかった二人だが、朝陽のお節介から冬華との関係性に変化が訪れ…。第8回ネット小説大賞受賞作!じれったくも甘酸っぱい遅効性ラブストーリー。


■感想
「氷の令嬢」の異名を持つ氷室冬華がマンションの隣に住んでいたことが発覚、ひょんなことから関わっていく内に心を通わせていく王道ラブコメ。朝陽は冬華に料理を、冬華は朝陽に勉強を教えてお互いを補いながら丁寧に関係が進んでいくのが甘酸っぱくてグッジョブ。冬華が何故他人との関わりを拒絶していたのかが分かるのは次に持ち越しかな。
クリスマスデートとか完全にカップルイベントを楽しんでいるあたり案外サクッと関係が進んだりして。息子想いの朝陽の両親も良いキャラしてました。お隣ラブコメが好きな方にはオススメです。

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3(★★★★☆)

■あらすじ
常夏の無人島を舞台に、全学年で得点を競い合うサバイバル試験がついに開始された。得点を得る方法は2つ。毎日一定時間ごとに指示される指定エリアを訪れることと、無人島内に設置された課題を条件通りにこなすこと。グループ人数が多いほど有利かつ、退学の可能性も減る試験内容。2週間という長丁場かつ、水や食料の補給も考える必要のある過酷な試験。さらに月城理事長代理は学年同士の小競り合いを試験中は容認するらしい。そんな中単独行動で状況を窺う綾小路だが、1年Dクラスの七瀬翼が同行を申し出る。メリットのない奇怪な行動だが七瀬の出方を知るため綾小路はそれを受諾。2人組での無人島走破が始まる!

■感想
遂に無人島でのサバイバル試験開始。単独行動をするはずの清隆だったが、途中で同行を申し出た七瀬と共に行動することに。七瀬はなぜ清隆を排除しようとしたのか、その理由が終盤で判明します。普通に優しい子じゃないか!このままいけば清隆にとって良い協力者になりそう。軽井沢は出番少なめですけどきちんと恋人っぽいことしてましたね~。
そして月城の暗躍から逃れることができるのか。一之瀬さん不運過ぎる…。最後の清隆と七瀬のやり取りが前向きな未来を示唆していると信じたい。やられっぱなしは嫌なので次は少しでもスカッとする展開があればいいな。次回に期待。

この素晴らしい世界に祝福を! よりみち2回目!(★★★★☆)

■あらすじ
今回は“異世界”にもよりみち!?文庫未収録の全10編!!ウィズが仕入れた魔道具で転移した先には、見慣れた日本の風景が広がっていた!?―『そうだ、異世界へ行こう!』暴走した嵐の大精霊を相手にアクセルの冒険者たちが“水着”で大暴れ!!―『レッドストリーム・エクスプロージョン!』「私…!私…!!カズマさんのコミュ力が欲しいっ!」カズマとゆんゆんがついに!?―『ぼっちをプロデュース!』入手困難だった限定特典に、カズマたちの日常の一幕や本編では明かされなかったダクネスとクリスの出会いなどを描く、スペシャル書き下ろしが詰まった、豪華な短編集第2弾!

■感想
短編集第2弾。今回はクリスとゆんゆんの出番が多めで嬉しかったです。皆でバカ騒ぎをしながらもちょっと切ない余韻があったのは「そうだ、異世界へ行こう!」カズマの置き土産が家族に伝わるといいな。「レッドストリーム~」でのアクアの空気読めなさはさすが(笑)それにしてもギャグ全開の話だった。
ぼっちを卒業したいゆんゆんが健気過ぎる、むしろ私が友達になりたいわ。でもカズマを見本にした時点で失敗が見えてるよね(笑)クリスとダクネスの友情関係にほんわかしました、エリス様気苦労多すぎですな。

閻魔堂沙羅の推理奇譚 A+B+Cの殺人 (★★★★☆)

■あらすじ
「制限時間は10分。あなたは、どうして亡くなりましたか?」つかの間の休息で現世を訪れた閻魔大王の娘・沙羅が出会ったのは家出した少年少女。父に生活能力がなく、母は病没を待つばかり。世間から見放された二人にはなぜか刺客が迫っていて―!悲しき人の因縁を霊界のやさしい裁判官が裁く。謎を解けば、あなたは生き返る―どこからでも読める珠玉のミステリシリーズ!

■感想
つかの間の休息の筈が家出した兄妹に巻き込まれて、とある事件に関わることに。沙羅が自分自身でも感じていたように段々と人間的になっていく変化が好きです。今回死んだ兄妹の父親は元・ヤクザでアルコール依存症な上にどうしようもない奴。でも死が近い妻を愛しているのは本当で、沙羅の説教で父親として少しは反省したようなので改心してほしいものです。
真相が重い割にはラストは爽やかだったので後味が良かったです。努力もしない者程後悔する、沙羅のその考えは心に突き刺さりました。あまりにも正しいけど楽な道を選択してしまうし、優柔不断でチャンスも逃してしまう。志郎と汐緒里の今後が明るいといいな。

探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる(★★★★☆)

■あらすじ
山田姉妹と戸村に今日も奇妙な事件(相談事)が寄せられる。我が校の卒業生でもある副担任さぁや先生の依頼は、彼女が高校生のときに起きた「原稿消失事件」。文芸部の部誌に載るはずだった直前に消えた状況は、確かに不可解で…?あいかわらず平常運転で絡んでくる雨恵と雪音の山田姉妹につつかれながら、またも俺は矢面に立たされるのだった。だんだん雨恵と雪音の性格も把握してきたけど、2人の距離感は…やっぱ、近すぎるよね!?そして赤面しているよね!?可愛くて鋭い2人の山田さんと俺が解き明かす、ちょっと甘めの学園ミステリーラブコメ、第二幕!「よし!プールで推理しよう!」ええっ!?

■感想
シリーズ2冊目。オンラインゲームの人物当て、文芸部の消えた原稿の行方、自殺願望が見える友人探し、サクッと読めてどれも面白かった。依頼者に寄り添いながらも戸村+山田姉妹が楽しみながら推理していくスタイルが好き、プールの場面とか正に青春。新キャラの田草先生が好みだったので再登場してほしいな、確かにメルヘンな話でデイトレーダーが出てきたら置いてきぼり感があるかも(笑)
特に「探偵不十分」では戸村と山田姉妹の距離がグッと近づいてて、ニヤニヤ。最後の席替えのエピソードとかクラスの皆空気読みすぎててグッジョブ!こうやって戸村が周囲に溶け込んでいくのが嬉しい。

ロクでなし魔術講師と追想日誌7(★★★★☆)

■あらすじ
リィエルが苺タルト嫌いになる呪いをかけられた―『さらば愛しの苺タルト』。公爵家の元娘・イヴ、極貧生活に耐えかね、夜のお店でアルバイト!?―『秘密の夜のシンデレラ』。セリカ主催「グレンの嫁探しコンテスト」に、本気で挑むルミア無双―『最強ヒロイン決定戦』。未来の世界でグレンの子ども達に対面!?いったいお相手は―『未来の私へ』。少女たちが、ふだんは見せない表情を満載した短編、一挙掲載!そして―“法皇”クリストフ=フラウル。まだ士官候補生だった彼が直面した絶体絶命の回顧録。窮地を救ったのは、癖だらけと噂される特務分室・最強の6人だった!

■感想
今回もバラエティに富んだ1冊。「最強ヒロイン決定戦」ではヒロイン達のグレンへの強い想いが伝わってくる中でルミアが努力賞。重婚は禁止されたみたいだけど、「未来の私へ」みたいな結末が一番良いと思うけどな。娘達はハチャメチャだけどセリカも幸せそうだし、イヴ+三人娘だったら言うことなし。
イヴのヒロイン力にルミアが危機感を感じるのも分かるのが「秘密の夜のシンデレラ」。食生活が世知辛い…、イヴがもう少し素直になったら一気に関係が進みそうな気がする。過去話は切なくもあり、個性派揃いだけど最強だった頃の特務分室が堪能できる。クリストフの言う通り離れていても心は一つ、その言葉が素敵。