■あらすじ
大正情緒を引きずる昭和6年、1人の強欲成金が顔を赤いペンキで塗られた異様な死体となって発見された。冤罪を着せられた放蕩息子の牧野心太郎は、真犯人を捕まえるために、タダで探偵をするという奇特な伯爵家の次男坊・黛望(ルビ:まゆずみのぞみ)を頼る。一方、巷では同様の死体が次々見つかり、「黒影法師」なる者の仕業と噂になっていた――。耽美と退廃が匂い立つ、帝都バディミッション開幕!
■感想
成金の放蕩息子と伯爵家の次男坊が巷を騒がせる連続殺人鬼・黒影法師の謎に迫っていく。昭和初期のレトロで退廃的な雰囲気に魅せられました。バディ小説と紹介されていますが、別行動が多かったのでまだ関係性が薄いままなのが残念。序盤の心太郎の父の殺害からして回収されていない謎があってモヤモヤする…、そういう仕様なのかな。
真相は好き嫌いが別れるような気がします…。謎の組織が登場するのはワクワクしますが、メイン2人が見事に踊らされていたと思うと肩すかしな印象が否めない。感想をかくのが難しい一冊、とにかくモヤっとしました。