大正箱娘 怪人カシオペイヤ(★★★★☆)

時は大正。巷に流行る新薬あり。万病に効くとされるその薬の名は―「箱薬」。新米新聞記者の英田紺は、箱娘と呼ばれる少女・うららと調査に乗り出す。一方、病に冒された伯爵の館には怪人・カシオペイヤから予告状が届く!館では陰惨な殺人事件も発生し、現場に居合わせた紺は、禁秘の箱を開き「秘密」を暴く怪人の正体を知ることに。怪人が狙う帝京に隠された謎とは!?
怪人・カシオペイヤの正体に迫る一冊でした。今回は主に紺と燕也を中心にストーリーが進んでいく。横暴なイメージが強かった燕也の見せた新たな一面が魅力的だなと。「俺にお前を守らせくれるか」と言った彼の言葉が相手の心に届かなかったことが悲しい。決して手放しに優しいとは言えないけど、一度心を許した者には情が厚いところは素敵でした。
カシオペイヤの正体はそういうことだったんですね、この人達もうららを狙ってる様子。本当に「箱娘」って何なんだろうか、室町の言葉から察するに不穏なイメージしか浮かんでこない。それだけに最後の紺とうららの何気ない日常会話に和みました。