わたし、二番目の彼女でいいから。

わたし、二番目の彼女でいいから。 (電撃文庫)

■あらすじ
俺たちは「二番目」同士で付き合っている――危険な三角関係の行方は?「私も桐島くんのこと、二番目に好き」俺と早坂さんは互いに一番好きな人がいるのに、二番目同士で付き合っている。それでも、確かに俺と早坂さんは恋人だ。一緒に帰って、こっそり逢って、人には言えないことをする。だけど二番目はやっぱり二番目だから、もし一番好きな人と両想いになれたときは、この関係は解消する。そんな約束をしていた。そのはずだったのに――「ごめんね。私、バカだから、どんどん好きになっちゃうんだ」お互いに一番好きな人に近づけたのに、それでも俺たちはどんどん深みにはまって、歯止めがきかなくて、どうしても、お互いを手放せなくなって……。もう取り返しがつかない、100%危険で、不純で、不健全な、こじれた恋の結末は。

■感想
背徳感と不健全さがたっぷり詰まった一冊。決して実ることのない恋をしている男女がお互いを二番目に好きだったが故に付き合うことに。一番好きな人が中心な筈なのに時を重ねるごとにそれが揺らいでしまう桐島とあかね。特にあかねはそれが顕著で、心の主軸がほぼ桐島に向いている。独占欲の発揮、そして桐島と二人でいる時の暴走っぷりが背徳感たっぷりでお見事。
三角関係かと思いきや物語後半で四角関係に発展してますます面白くなっていく。桐島の一番である橘の巻き返しにあかねは消沈気味。個人的にはあかねを応援したいところ、先輩もいい奴だしな…。ぜひ決着まで見届けていきたい。