
- 作者: 酒井田寛太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/10/27
- メディア: Kindle版
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シリーズ2冊目。短編3話で構成されていて、どれもほろ苦い結末ばかり。青春とミステリの両方を上手く生かしている秀作だと思います。
第1話は「耳なし芳一の夜」の解釈が面白かった。犯人の気持ちも分かるなとつい思ってしまった、由香子の逞しさを見ると余計に。良太郎の仲間を信じたい、という姿勢が素敵でした。メインの第3話は啓介の中学時代を絡めた話。これって結局のところ因果応報のような気がする。相手の気持ちを考えずに事件に首を突っ込んだ啓介は未だに罪悪感を感じてるし、盗作を告発された祐樹は自殺未遂してるし。祐樹は自業自得だと思うけどね。最後の啓介の願望が物悲しく感じます。本当にこういう展開だったら良かったのにね。