ふりむけばそこにいる 奇譚蒐集家 小泉八雲 罪を喰らうもの(★★★★☆)

◼あらすじ
親族に疎まれ失意のまま辺境の神学校に編入したオーランドは、この世の怪を蒐める不思議な少年と出会う。のちに日本で『怪談』を著したラフカディオ・ハーン――小泉八雲が英国で過ごしたまばゆい青春と友情の記録。日に日に恐るべき速さで成長する子どもが彼らのもとをおとずれる奇譚「名もなき残響」、姿を消した黒猫と死を呼ぶ青い蝶を巡る「Heavenly Blue Butterfly」、他一編。

◼感想
シリーズ2冊目。短編のようでいて最後の「罪を喰らうもの」で伏線が回収され、読み進めるほどに面白さが加速していった。オーランドとパトリックのぎこちないながらも友情を深めていく過程が微笑ましい、パトリックの家に2人で行ったエピソードもぜひ読みたい。
黒猫の話はジェマの想いがロビン達に届いて良かったなと。最後の話は本来の自分や大事な人達さえも奪われたアンソニーの悲痛な叫びが聞こえてきそうで胸が締め付けられた。アンソニーのハロルドに対する想いも、ユージンのアンソニーに対する想いも素敵なものだと思う。厄介な怪異も登場したので続きもあるのかな…?