
- 作者: はやみねかおる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/04/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
久しぶりのはやみね作品。設定がとにかく私の好み。物語を現実世界で体験できる、だなんて素敵。残念なのは主人公の美月と相性があまり良くなかったこと。本を読まない、というのは各個人の好みの問題だから仕方ないと思う。でも手塚とかとの話で分からないことがあったら「本を読まないので分かりません」っていう答えはどうよ。こういう会社に勤めてるんだから少しは勉強すれば?と突っ込みたくなる。それにまったくもって空気の読めない発言の数々にイラッとしてしまった。怪我人の応急処置ができるところとか最終的には事件の真相を解き明かしたこととかは素直にすごいなと思いますけど。
どこからがメタブックでどこからが現実なのか。曖昧な境界線の中で導き出された真相は哀愁が漂っていてほろ苦いものでした。やっぱり「老い」は怖い、佐々木さんが不安になってしまうのも仕方ないよね。手塚のキャラが好きだったのでシリーズ化するならまた読みたいです。