掟上今日子の挑戦状（★★★★☆）

掟上今日子の挑戦状

鯨井留可がアリバイ工作のために声をかけた白髪の美女は最悪にも、眠るたびに記憶を失ってしまう忘却探偵・掟上今日子だった…。完璧なアリバイ、衆人環視の密室、死者からの暗号。不可解な三つの殺人事件に、今日子さんが挑戦する!
シリーズ３冊目は短編集。どの謎も小粒ではありましたが、トリックが分かりやすかったので面白かったです。どの刑事もキャラ的に問題はないですが、今日子さんの相棒は厄介の方がしっくりきます。それにしても今日子さんがハイスペックな上に小悪魔で、翻弄されるキャラ達を見るのが楽しかったです。
アリバイ・密室・暗号と推理小説ではよくある題材ですが、今日子さんがそれぞれの定義について説明してくれたのもミステリ好きとしては興味深かったです。「アリバイ証言」については個人的に意外な結末でした。今日子さんを選んだ時点で運がなかったんでしょうね。「密室講義」は結局被害者が殺された理由が明かされなかったので、ちょっと消化不良。「暗号表」は最後に「汚いお金はびた一文として、いただけません」とはっきり宣言する今日子さんが凛々しかったです。