さよなら、サイキック 1.恋と重力のロンド(★★★★☆)

その能力は、戦うためのもの―?幼少期に重力を操る能力に目覚めるも、怠惰で平凡な高校生に落ち着いた獅堂ログ。ある冬の夜彼は、“最後の魔女”という運命を背負った少女・ロンドと出会い惹かれ合う。その年の夏。クラス一の美少女木佐谷樹軍乃に強引に誘われ、共に郊外へ向かったログは、「鉄塔に登った距離に比例してスカートの裾を持ち上げる権利」に釣られ、頂上の絶縁碍子を目指すことに。はたして軍乃の真意は…!?
異能力を持つ少年少女と魔女という宿命を背負った少女が織り成す青春ストーリー。表紙のイメージ通り爽やかな読み口でした。ロンドも軍乃も魅力的なキャラなだけに、三角関係である以上どちらかが身を引くと思うと残念です。ログがどちらを選ぶのかも注目です。
異能力者であるが故に大好きな兄を傷つけてしまったことを未だに気にしている軍乃、ログたちを拒絶したのは二人に惹かれているからこそだったんですね。Sっ気たっぷりの軍乃と虐げられているログの会話が面白かった(笑)二人と出会ったことによって、軍乃も前進できたようで何より。
ロンドは正に天真爛漫。グラツィアーナの存在もきちんと受け止めていたし、病気の件も含めて本当に強い子だなと。軍乃がいっていた「恋をすると能力は消える」というのが事実ならば、ログはロンドに恋愛感情を抱いてない…?色々と気になる点があるので、続きを待ちたいと思います。