
- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/07/15
- メディア: 文庫
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ジェントルマンという名の仮面を被った漱太郎に惹かれる夢生。仮面の下に隠されたのは苛烈でどす黒い感情、漱太郎が嫌がる女性をレイプして自殺に追い込んでもひたむきに好意を向ける夢生が理解できなかった。
漱太郎というキャラがずっと掴めなくて後半に妹が登場してから少しだけわかった気がした。漱太郎にとって妹だけが本当に求めている存在なんだなと。だからこそ最後の展開にはため息を吐きたくなった。その行為はまさしく処刑そのもので夢生の感情が一つも報われずに終わってしまったことが悲しい。個人的には圭子と一緒になって平凡な幸せを手にしてほしかったな…。