永劫回帰ステルス 九十九号室にワトスンはいるのか?(★★★★☆)

大学に入学した秋太郎が足を踏み入れたのは、異常に人間を嫌う来見行が専有する謎の哲学研究室「仮面応用研究会」だった。コウに興味を持った秋太郎は入部を願い出るも、断固拒否される。直後、サークル棟で墜落死体を発見するが--一瞬にして消失。この超常現象を推理するコウの裏で暗躍する彼の兄の真意は? ラスト10ページ、存在の証明が不可能な「あるもの」が出現する。
ミステリというよりはオカルトや心理学寄りなストーリーのような気がする。コウも特殊な生い立ちだけど秋太郎が醸し出す雰囲気も異質で底知れない何かを隠しているようなキャラに思えた。秋太郎の過去を知ると仕方ないけど、一人しかいない家の中でまるで家族が生きているように会話をしてると思うと心配になってくる。ハゴロモがいるなら大丈夫なのかな。
コウと仲良くなりたい秋太郎と拒絶するコウの会話が微笑ましかったです。コウの子供っぽい態度も可愛く思える。「かくれんぼ」に関してのロジックも面白かったです。コウと兄であるショウの因縁はどうなるのか。私だったらこんな兄は嫌だ…。続きがあるなら読みたいです。