書店男子と猫店主の平穏なる余暇(★★★★☆)

シリーズ2冊目。今回も主人公の賢人がミカンが吐き出す記憶で白昼夢を見て、他人の悩み事に関わっていく。賢人に対してはツンツンなミカンが相変わらず可愛い。個人的には最後の「手紙」が好きです。厳格な馨の祖母の恋のエピソードは切ないながらも後味の良い終わり方でした。本当は好きな人がいるのにも関わらず、妹の為に好きでもない人と結婚してしまうことに。実ることのない恋だったけれど、小北さんがお祖母さんの本当の想いを知り、厳しいながらも裏側ではきちんと孫たちを信頼していたという事実を馨たちも知れたので良かったと思います。晄のおかげで老後は幸せだったようだし。
「過去、今に還り」は佳奈にムカッとしました。常に桃子のことを見下していたし、いじめていたのに謝らないってどういうこと…。ハッピーエンドだけど、私は桃子みたいに器が大きくないので無理。簡単に許したくないし、それこそ桃子の何倍も苦しめばいいと思う。