チェインドッグ(★★★☆☆)

チェインドッグ (ハヤカワ・ミステリワールド)

チェインドッグ (ハヤカワ・ミステリワールド)

鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人犯・榛村大和からのものだった。「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」そう訴える大和のため、事件の再調査を決めたが…というお話。中学までは皆の人気者だったのに高校で失敗した雅也は底辺の大学に入学するがそこでも上手くいかない、言い訳じみた文句の連続にムカッとしながらも気持ちはわかるような気がした。授業サボリまくりの子を見ると何の為に大学来てるの?と言いたくなったし。
見事なサイコパス野郎で不気味過ぎ…。雅也にとっては一大事でも榛村にとってはただの暇つぶしのゲームに過ぎない、しかも雅也以外にもたくさんの人間と同じようなことをしてるとか本当に抜け目がないな。雅也のお母さんまで事件に関わってくるとは思わなかった。榛村の中では自殺する予定だったらしいけど雅也が榛村の呪縛から抜け出してきちんと母親と向き合って回避できて良かったです。めでたしめでたし、と思ったら最後はあんたですか。まぁ、少量の血がついている制服を無表情で着ている表紙を見ればなんとなくわかってましたが。後が心配になる終わり方…。