クリムゾンの迷宮(★★★★☆)

藤木芳彦は目覚めると視界一面を深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っていた。それは凄惨なゼロサム・ゲームの始まりで…というお話。通勤の合間合間に読んでいましたが一気に読んだ方が爽快感があって良かったかもしれません。正にサバイバルといった感じで色々な動物を焼いて食べる描写に少し引きつつも、一番嫌悪感を感じたのは人肉の魅力に取りつかれた樽本ですかね。薬によって変わり果てた姿の樽本の描写にはゾッとしました。
それなりに動揺していた場面もありましたが全体を通して割と冷静で最後まで生き残ることができた藤木はすごい。最後は藍の面影とゲームを企画した奴らへの復讐を求めて少し物悲しい終わり方ですが命があっただけマシでしょう。私だったらお金だけもらって深くは追及しないけど。藍には裏の顔があったようですが主催者側の人間でゲームを面白くさせるのが役割だったのかな?それを考えるとトゥルーエンドが妥当のような気がします。こんだけ命がけの戦いをして報酬が500万とか少ない…。