海の上の博物館(★★★★☆)

「海の上の博物館」とか行ってみたいな〜と思わせてくれる小説でした。最初は「海の上」とかいてあったのでてっきり水族館だと勘違いしてました。私も大学は日本文学科なので学芸員もいいなと思っていた頃があります。でも若菜の言う通り競争率が激しくて諦めました…、それにこの小説を読んで改めて学芸員は大変な仕事だと分かったので私みたいな根性なしは諦めて正解でした。
著者の前作「路地裏のあやかしたち」に少しリンクしてますね。個人的に好きなのは鷹臣ですかね。他の人には大人っぽく接するのに若菜の時だけ年相応な態度になるのにニヤニヤしました。若菜さん、年下は駄目ですか?藍沢さんの家の存続をめぐっての市長との対立も地域密着型のこの土地ならではのエピソードでほっこりしました。最後はこの博物館で頑張っていこう、という若菜の前向きな気持ちが綴られていて気持ちの良いラストでした。