陽キャになった俺の青春至上主義

■感想

高校生になるのをきっかけに陰キャから陽キャに努力でイメチェンした主人公・橋汰を含めた6人の青春コメディ。

キャラ同士のコメディタッチな会話が面白くてあっという間に読了。テーマでもあった陰キャ陽キャとは…?に考えさせられる部分もあり、橋汰のように意識している人間もいれば、カエラや徒然のように線引していない人間もいて人それぞれだなと。だからこそ終盤の橋汰のプレゼンは心に刺さるものがありました。

どのキャラも自分の殻を破ろうと頑張っていて、6人が徐々に仲良くなっていく展開が正に青春。恋模様も一筋縄ではいかないようなので今後が楽しみな一冊。

霧桜に眠る教室で、もう一度だけ彼女に会いたい

■感想

突如として次々と1年4組の生徒達が異能力を手に入れ、平和な日常が崩壊してく。そんな渦中にいて問題に立ち向かった英雄がいた、これはその英雄の相棒の物語。

九十九里の登場によって再び起きる青春虚構具現症。それは異能を発現した人間の精神状況に起因するため、社は相談者と向き合いながら問題を紐解いていく。なんだかんだ言いつつ相談者に対して真摯的で放っておけない社だからこそ澄御架に気に入られたんだろうな。

登場は少な目でも圧倒的な存在感を誇っていた澄御架、社の心の片隅にはいつも彼女の存在があったんだなと。最後は別れ道になってしまってもう決して混じ合うことはないけど、切なさがありつつも爽やかな余韻が残るラストでした。

逆行した元悪役令嬢、性格の悪さは直さず処刑エンド回避します! 1

■感想

隣国のチャイ王女に危害を加えたとして16歳で処刑されてしまった公爵令嬢・アリスティーナ。しかし目覚めたら5歳の姿になっていて、処刑を防ぐために良い子になろうとするが···。

前世では嫌われていた婚約者・ユリアンとは関りたくなかったものの結局再び関わることに。アリスとユリアンの焦れったい攻防が甘酸っぱくてキュンとくる。ユリアンに惹かれつつも前世のことが頭をよぎって彼の告白を信用できないアリス、そのジレンマこそがこの物語の醍醐味だなと。

我儘でもアリスの性格を理解して見守ってくれる侍女のリリや友人達がいてくれて良かった。チャイ王女の本性も判明したところで次回へ続く。

ひきこまり吸血姫の悶々11

■感想

久しぶりの日常パートで、リオーナ・リンズ・クレメソス・サクナがメインの短編集。

個人的に一番グッときたのはリンズ回、コマリへの恋心に揺れ動く一途なリンズが愛らしい。周囲のキャラの濃さに引け目を感じつつも、自分なりにコマリへアプローチしていくことに落ち着いたようで良かった。ヴィルに敵認定されたし、まさか引越しするほど積極的になるとは思わなかった(笑)

七紅天として一皮むけたサクナのお話も面白かった、今後の展開の伏線がはられていて読み応えがありました。次回からはVS六文台、コマリ頑張れ!

悪徳貴族の生存戦略2

■感想

ゲーム「悪徳貴族の生存戦略」の主人公・ジャックに転生してしまい、生き残る為に奮闘するがさらなる困難に襲われることに。

前回はヒロインが護衛兼師匠のアデーレのみでしたが、今回から婚約者のユリアンヌが登場。武闘派の逞しい女性で、悩みながらもジャックを裏切った自分の父親と戦う潔さが素敵でした。恋に戸惑う乙女な部分とのギャップも可愛くて良き。

斥候・グイントも仲間入りしてジャックの周囲も少しずつ力をつけていく。しかし平和に暮らせるのはまだ先のよう、1巻よりキャラが生き生きとしているように感じました。

男子禁制ゲーム世界で俺がやるべき唯一のこと1 百合の間に挟まる男として転生してしまいました

■感想

百合好きな主人公が百合ゲームでどんなルートでも死亡してしまうお邪魔虫キャラ・ヒイロに転生してしまう。百合が見たいのに、エルフの姫・義理の妹・メイドなど魅力的なヒロイン達が何故か自分に好意を寄せてきて···。

かなりアグレッシブな主人公ですが、自分の大好きな百合の為に体を張るヒイロさん素敵です。こういう自分の軸がぶれないキャラは応援したくなる。しかしそんなヒイロの思惑とは裏腹にヒロインズはヒイロに惹かれていき、そんな空回りっぷりも面白かったです。

ゲームでは本来主人公の桜がミステリアスで、どう物語を掻き回してくれるのだろうか。次回は合宿編、楽しみです。

ハズレ属性【音属性】で追放されたけど、実は唯一無詠唱で発動できる最強魔法でした

■感想

魔法の名家に生まれ、膨大な魔力を持つアルバスは父から将来を期待されていた。しかし彼が発現させた属性はハズレ属性と言われる音属性で家を追放されてしまい···。

ハズレ属性と言われていた音属性が実は汎用性の高い優れた属性で、王女・ルルアリアの声を治したり、冒険者として魔物を倒したりなど着実に功績を積み重ねていくアルバス。

一番の見所はやはり終盤の兄弟対決、ルルアリアの助言によって魔法一筋のアルバスがきちんと兄弟関係に向き合って全力を出し切った熱い展開が見事でした。