七つの魔剣が支配するIII(★★★★☆)

◼あらすじ
オフィーリアが魔に呑まれ、ピートがその使い魔に攫われた。迷宮の深みに潜む魔女を相手に、自分たちに何が出来るのか?苦悩するオリバーらに、ある人物が取引を持ちかける。果たして彼らは、友人を取り返せるのか―。

◼感想
シリーズ3冊目。魔に呑まれたオーフィリアによって混乱する学園、さらわれたピートを助ける為にオリバー達は迷宮へ行くことに。淫魔であるが故に孤独な人生を送ってきたオーフィリア、初恋と友情を堪能できたのは束の間のことで彼女も人並みの感情を持っていたんだなと。オーフィリアの幼馴染としてカルロスが選んだ道が男前でこういうキャラがいなくなってしまうのは寂しい。
ピートが無事で良かった…!ミリガンは何気に面倒見がいいのね。最後まで綱渡りの救出劇でしたが、皆がきちんと帰ってこれて何より。1年生編終了とのことで、あとがきがまた不穏なので退場するキャラがいないことを祈るばかりです。

ふりむけばそこにいる 奇譚蒐集家 小泉八雲 罪を喰らうもの(★★★★☆)

◼あらすじ
親族に疎まれ失意のまま辺境の神学校に編入したオーランドは、この世の怪を蒐める不思議な少年と出会う。のちに日本で『怪談』を著したラフカディオ・ハーン――小泉八雲が英国で過ごしたまばゆい青春と友情の記録。日に日に恐るべき速さで成長する子どもが彼らのもとをおとずれる奇譚「名もなき残響」、姿を消した黒猫と死を呼ぶ青い蝶を巡る「Heavenly Blue Butterfly」、他一編。

◼感想
シリーズ2冊目。短編のようでいて最後の「罪を喰らうもの」で伏線が回収され、読み進めるほどに面白さが加速していった。オーランドとパトリックのぎこちないながらも友情を深めていく過程が微笑ましい、パトリックの家に2人で行ったエピソードもぜひ読みたい。
黒猫の話はジェマの想いがロビン達に届いて良かったなと。最後の話は本来の自分や大事な人達さえも奪われたアンソニーの悲痛な叫びが聞こえてきそうで胸が締め付けられた。アンソニーのハロルドに対する想いも、ユージンのアンソニーに対する想いも素敵なものだと思う。厄介な怪異も登場したので続きもあるのかな…?

14歳とイラストレーター7(★★★★☆)

◼あらすじ
「せんせ、あたしとVチューバーやろ?返事はYESだけ♪」イラストレーターを目指す乃ノ香の好敵手になるかと思いきや、海老名水織は謎の行動に出る。バ美肉ってなんだ―と首をかしげる悠斗だった。一方、倉山錦は会社が倒産!?白砂は連絡途絶なマリィの自宅を訪ね、そこである重大事に気付き!?さらに、ナスに忍び寄る新たな影が…悠斗は今度こそ、彼女の恋人を演じきれるのか!?超過密日程なのに意外と遊んでて大丈夫なのか!?希望と現実、そして欲望に振り回される、イラストレーターのガチな日常を大公開な、第7弾!

◼感想
シリーズ7冊目。今回は水織メインでしたが、白砂とマリィやナスのエピソードも挟みつつで安定した面白さでした。個人的に「バ美肉」という言葉が初聞きでした、悠コが地味に可愛い。水織の誘惑にも揺れずにあくまでイラストレーターとして接する悠斗の真面目さが好きです。生意気なようでいてたまに弱さもみせる水織の可愛らしい部分もみれて満足。ハーレム要員がまた一人増えましたね、モミジみたいな子は好きになれないな…。
最後の様子からすると乃ノ花はスランプみたいですが、次回挽回してくれるといいな。ナスのストーカーホイホイは相手の勝手な勘違いにより終了。今回も仕事で忙しい上に周囲の人間の問題に首を突っ込んでいる悠斗の身体が心配です。次回も楽しみです。

世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (★★★★☆)

◼あらすじ
フリースクール〈静鈴荘〉に通う岩瀬知香は、中学校への復学を強要する母親との問題に悩んでいた。彼女が学校に行けない「本当の理由」を告げられた新米教師の佐伯道成は、先輩教師の舞原杏と救済の道を探す。そして明らかになる杏に隠された「世界で一番かわいそうな夫婦」の秘密。戦後最大の未解決事件が起きた十年前に時計の針は巻き戻され、すべての罪は白日の下にさらされる。シリーズ完結巻!

◼感想
シリーズ完結。杏と詩季の謎も明かされ、全ては道成が起こしたバスジャック事件に繋がっていた。過去に囚われている杏、詩季に対しては八つ当りしているようにみえてしまう…。それでも杏を大切に思う詩季が優しくて、道成の働きかけで夫婦の関係が一歩進んだと思いたい。いつか詩季の想いがきちんと杏に届いてほしい。
道成と詠葉はやっぱり切ない展開になってしまった…。道成は自首することを選択するとは思ってましたが、真実を打ち明けても「行かないで」という詠葉が可哀相過ぎて心が締めつけられるようだった。あとがきを読んでいると未定だけど続きもあるかも?な雰囲気だったので少し期待してます。

ようこそ実力至上主義の教室へ11(★★★★☆)

◼あらすじ
初めて出た退学者の衝撃冷めやらぬ中、1年最後の特別試験『選抜種目試験』がついに告知された。内容は総合力が問われるもので各クラスは筆記試験、将棋、トランプ、野球等、勝てると思う種目を10種選抜。本番では1クラスを相手に、ランダムに選択された7種の種目で争うというものだ。また各クラスには1名司令塔が存在し、勝てば特別な報酬が得られるが負ければ退学となるらしい。綾小路は自ら司令塔に立候補。そして坂柳が望んだ通り、AクラスとCクラスとの試験対決が決定する。「だが私は楽しみになったぞ綾小路。これでやっと、おまえの実力を見られるんだからな」綾小路VS坂柳の激戦必至の一騎打ち始まる!

◼感想
シリーズ11冊目。1年最後の特別試験による綾小路VS坂柳の一騎討ちがメイン、坂柳がメインヒロインっぽくて可愛かった!最後に2人で一緒に仲良く帰る場面が微笑ましい。せっかくの勝負があいつのせいで台無しになったのは残念ですが…。堀北の成長スピードも頼もしい、ヒロインというよりは相棒のポジションがしっくりきます。
恵にも見せ場があったし、平田も復活して良かった。櫛田のイラストがある意味凄い(笑)なんたかんだいいつつ龍園も綾小路に触発されて動き出しましたし、2年生編も波瀾万丈な予感。綾小路にはぜひ月城をぶちのめしてほしい。続きが楽しみです。

准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る (★★★★☆)

◼あらすじ
「怪異が潜むのは、『日常』と『日常』の隙間にある『非日常』だよ」―怪異収集家の准教授・高槻と、嘘を聞き分ける耳を持つ大学生・尚哉の下に、小学校で噂のコックリさんの調査依頼が。「あなたは誰?」という質問の答えは、かつてそのクラスにいた児童の名で―。ほか、尚哉の耳に異変が起こる中、有名女優から幽霊相談が持ち込まれて…!?高槻の謎めいた過去も語られ、ますます目が離せない、大人気民俗学ミステリ第2弾!

◼感想
シリーズ2冊目。コックリさん、映画撮影の邪魔をする幽霊、「奇跡の子供」と敬われる少女、などを今回は調査していく。コックリさんの話は子供達に非はないものの先生側の言い分も分かるような気がします、何気に最後のは怪異なのでは…?「スタジオの幽霊」はあそこまで当の本人が必死だと切実で責めづらい、そしてまたしても最後に本物パターン。
途中で尚哉が耳に変化があった際に高槻に捨てられるかもしれないと思ってなかなか言い出せなかった尚哉の心情が切なかった。でも裏を返せばそれだけ尚哉にとって高槻の存在が大きくなっているということで、最後の高槻の「僕は絶対に、君を一人になんてしない」という言葉が素敵でした。数年後に高槻のゼミに入ってそう(笑)

俺を好きなのはお前だけかよ(11) (★★★★☆)

俺を好きなのはお前だけかよ(11) (電撃文庫)

俺を好きなのはお前だけかよ(11) (電撃文庫)

◼あらすじ
最悪だ…。どうして、こんなことになっちまったんだよぉぉぉぉ!!…え?何が起きたかって?あの男だよ。驚異のラブコメ主人公である、あの男が、再び西木蔦高校にやってきやがったんだよ!!開催中止の危機を回避し、平和に行われるはずだった『繚乱祭』。だがあの男を中心に、嵐は容赦なく西木蔦に吹き荒れる…それは一人の少女の願いと共に。まあ流石に俺はもう面倒事はこりごり―って引き受けんのかよ、パンジー!!しかも、その謎の決め顔とポーズで、てめぇは一体何を企んでやがる!?

◼感想
シリーズ10冊目。今回は留学してしまうホースの為に月見とジョーロが結託して繚乱祭での想い出作りに走り回る巻。チェリーがやたらとドジっ子っぷりを発揮させてジョーロの計画を邪魔するかと思ったらそういうことだったんだね…、サザンカが協力するのも無理はない。ホースの留学期間のオチに思わず苦笑。
そしてサザンカの告白が…!この子本当に可愛い!最後のホースの助言が意味深過ぎて不吉ですな、パンジーが一華と知り合いみたいなことも関係してくるのかな?ジョーロの修学旅行に対する思いも波乱の展開を予感させます。次が気になる…!