スパイ教室01 《花園》のリリィ(★★★★☆)

スパイ教室01 《花園》のリリィ (富士見ファンタジア文庫)
■あらすじ
陽炎パレス・共同生活のルール。一つ、七人で協力して生活すること。一つ、外出時は本気で遊ぶこと。一つ、あらゆる手段でもって僕を倒すこと。―各国がスパイによる、影の戦争を繰り広げる世界。任務成功率100%、しかし性格に難ありの凄腕スパイ・クラウスは、死亡率九割を超える“不可能任務”専門機関―灯―を創設する。しかし、選出されたメンバーは実践経験のない七人の少女たち。毒殺、トラップ、色仕掛け―任務達成のため、少女たちに残された唯一の手段は、クラウスに騙し合いで打ち勝つことだった!?一対七のスパイ心理戦!第32回ファンタジア大賞“大賞”作の痛快スパイファンタジー!!

■感想
大賞受賞作品。学校でも落ちこぼれの少女たちが凄腕のスパイ・クラウスの下で学びながら不可能任務に挑んでいく。リリィはトリックスター的な側面を持つキャラで普段はお調子者だけど自分の能力を使ってクラウスを殺そうとするところはやっぱりスパイなんだなと。最後の展開からしてどんどんリリィの能力も進化していきそうで楽しみ。
冷静沈着なクラウスも身内のことになると甘くなるというギャップが魅力的でした。大切な者を失ってしまった彼がリリィ逹と出会ったことで再び前へ進み出すことができて何より。叙述トリックお見事でした。新たなる敵も定まったので続きもありそう。