■感想
「魔女」と称される幼馴染み・檻杖くのりと再会した主人公・拓海は彼女の周囲で起こる事件に巻き込まれていき···。
くのりの魔法とは死者にまつわる記憶を食って自身で再現できること。その魔法によって事件の真相が明らかになっていく。どの話も全体的にビターなテイストで個人的には面白かったです。
色々な記憶を食うということは自分本来の記憶が他者の記憶と混ざって分からなくなってしまうということ。いつか拓海のことも忘れてしまうのではないかというくのりの不安が痛切で、また拓海がくのりに惹かれた理由が業が深くて、互いの思いが見事に交差したかのようなラストの描写が印象的的でした。