七人の鬼ごっこ(★★★★☆)

七人の鬼ごっこ (光文社文庫)

七人の鬼ごっこ (光文社文庫)

一人の自殺志願者が、多量の血痕を残し姿を消した。男は毎日一人ずつ旧友に電話をかけ、相手が出なければ首を吊る「死のゲーム」をしていたらしいのだが…。やがて、彼の幼馴染が次々と謎の死を遂げ始める! 仲間の一人だった作家は、事件を追ううち、心の奥に封印された少年時代の忌まわしい記憶へと辿り着く。錯綜する推理の先に立ち現れる驚愕の真相とは?
じわじわと怖くなっていき、最終的には犯人の怨念の深さになんともいえない気持ちになりました。しかし怨む気持ちは仕方ないとはいえ殺された被害者たちは幼かったわけだから何もできなくて普通のような気がするが…。一番怨まれるべき人間が生きているのが皮肉な展開だなと。晃一をはじめとした幼馴染みたちが子供の頃と違って大人ゆえの悩みを抱えているのも世知辛いですね。
「垂麻家」や「達磨堂」など不吉なキーワードは結構さらりと流されてしまったのでそこを突き詰めていけばもっと面白くなりそう。とはいえ十分怖かったので満足です。