長い夜の国と最後の舞踏会 1 ~ひとりぼっちの公爵令嬢と真夜中の精霊

長い夜の国と最後の舞踏会 1 ~ひとりぼっちの公爵令嬢と真夜中の精霊~ (オーバーラップノベルスf)

■あらすじ
深い森に閉ざされた国ファーシタル。その森を管理する精霊に仕えてきた公爵家の令嬢ディアは、幼い頃に家族を殺され、王家に保護されたのち第一王子リカルドと婚約する。しかし、彼が他に愛する女性を得たことで婚約は解消される。
円満な婚約解消に思えたが、ディアは知っていた。かねてより精霊との繋がりを危惧していた王家がこの婚約解消を機に、数日後の舞踏会で自身を手にかけることを。そして自分の家族を殺したのが王家だということも――。全てを失いひとりぼっちで生きてきたディアは、最後に奪い続けてきた者達への復讐を決意する。そんな彼女をずっと見ていたのは、美しく残忍な精霊ノイン。彼こそディアの一族が仕えてきた精霊で、ディアが殺される理由だった。気まぐれに現れるノインとともに、残されたわずかな日々を過ごすディアは、最後の舞踏会に向けて歩み始める――。

■感想
濃密な世界観でファンタジーの醍醐味を味わえる一冊。第一王子に婚約破棄され、数日後の舞踏会で暗殺されると知ったディア。精霊ノインの力を借りて復讐を果たすことに。もう少しで暗殺されるのに、ノインの手料理を楽しみにしているディアが微笑ましい。すれ違いから気持ちが通じ合った後の甘い雰囲気が堪らなく可愛いです。でも6歳で年上の男性から告白されても本気にしないのは仕方ないよ(笑)
ディアにだって意志がある、第一王子を始めとして皆都合の良いようにディアを解釈して利用しているのが最低。というひたすら第一王子がキモい…。最後の舞踏会でディアがどんな復讐をしてくれるのか楽しみです。