忘却聖女(1)

忘却聖女 1巻 (デジタル版SQEXノベル)

■あらすじ
ある日、世界は“私”を忘れた追放された聖女は、ささやかな幸せを取り戻すために再び聖女に返り咲く“聖女”――それはアデウス国の象徴であり、神の代弁者。歴代随一の治癒と浄化の力をもつ第十三代聖女マリヴェルはある日、目を覚ますと周囲の人間から綺麗さっぱり忘れ去られていた。聖女を騙った冒涜者として神殿から追放されたマリヴェルは全てを失いスラムに流れ着くがただ一人、聖女を忘れていなかった神官と再会し再び聖女の座を目指して選定の儀式へ参加することに。ところが、マリヴェルに敵意をもつ何者かの影響か彼女の選定儀式はトラブル続きで……。これは力強くも健気、泥臭くも美しい聖女マリヴェルが、ささやかな幸せを取り戻すために奮闘する物語。

■感想
聖女である少女がある日突然周囲から忘れられてしまい、再び聖女に戻る為に奮闘するお話。過酷な状況でも決して挫けずに突き進む主人公・マリヴェル、そんな明るい彼女と堅物で真面目な神官・エーレのバランスがとても良い。まるで手のかかる姉を見守る弟のようでシリアスな状況でも二人の会話で癒される。
今のところ何故エーレだけ忘却から逃れられたのか、黒幕の目的など分からないことだらけ。
神官はまだしも聖女も恋愛自由な設定は珍しいかも、安直だけどこのままエーレと結ばれてほしい。タフなマリヴェルが神官長を思い出す時だけは涙を流すのが切なすぎる…。早く皆思い出してあげてくれ。