探偵は御簾の中 鳴かぬ螢が身を焦がす(★★★★☆)

探偵は御簾の中 鳴かぬ螢が身を焦がす (講談社タイガ)

■あらすじ
平安貴族には珍しく妻一筋だけどヘタレな検非違使別当(警察トップ)・祐高と頭脳明晰な年上の妻・忍。京で評判のおしどり夫婦なのに、後宮恋物語に憧れる忍にとっては、二人の情愛は危うさが足りないらしい。そこで夫と始めた秘密の駆け落ちごっこ。だが道中で殺人事件が発生し、なぜか祐高が容疑者に。真犯人を見つけなければ、別当はクビ、妻は出家!? 夫婦の危機に、忍が真相に迫る!

■感想
シリーズ2冊目。祐高の忍への一途な想いが平安の枠組みでは異質であり、それを知ってるからこその忍の最後の子供のような涙に胸が締め付けられた。新婚みたいに物語ごっこしている時との落差が激しい…。祐高はただ普通に忍を愛したいだけ、それに水をさす祐高の兄の策略にウンザリですよ。
前回は悪役的立ち位置だった朝宣ががっつり絡んできて魅力的なキャラになってます。特に荒三位との掛け合いが面白い。忍は色々と拗らせ気味なので祐高と気持ちの擦り合わせをして欲しい。欲張るならばもう少し甘さが欲しかったかな。