EAT 悪魔捜査顧問ティモシー・デイモン(★★★★☆)

EAT 悪魔捜査顧問ティモシー・デイモン (富士見L文庫)

■あらすじ
NY市警急襲部隊所属のミキオは人ではない何かに仲間を殺された。自らの証言を誰にも信じて貰えずにいた時、ミキオはFBIに呼び出される。そこで出会ったのは“ニューヨークの人喰い悪魔”として世を震撼させた死刑囚、ティモシー・デイモン。なんと彼は人ではない本物の怪物(ノンヒューマン)で、怪物絡みの事件が専門の極秘ユニット“EAT”(特殊事件捜査班)の捜査顧問らしい。半ば脅される形で“EAT”の勧誘を受け、見張り役兼バディとしてティモシーと共に過ごすことになるミキオ。食習慣も価値観も違い衝突する二人だが、街では臓器を喰われた警察官が発見されて……。

■感想
仲間を怪物に殺された刑事と死刑囚だった人喰い悪魔で怪物絡みの事件に挑んでいくバディ小説。見所はやはり主人公・ミキオとティモシーの関係性。たとえ人を食う怪物だとしてもそこにはティモシーなりのポリシーがあって実際に口にするのは犯罪者等の身体のみ。人間が豚や牛を食べるのと同じだと言われればそれまでなんですよね。普通に人肉を食べてる場面とかはオエッとなりつつも読んでいる内にお茶目な彼に魅力を感じるようになりました(笑)
歩み寄ろうとするティモシーに対して徹底的に拒絶するミキオ、しかし終盤では隣にいるティモシーを頼もしい感じるようになっていく。自分の本当の姿や弱点までもさらけだしてくれた彼に対する感謝の気持ちもあったのかな。バディものの醍醐味を味わえる一冊でした。ぜひ続きを読みたいです。