無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる(★★★★☆)

無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる (電撃文庫)

■あらすじ
不運に不運を重ねた人生を歩み、まっとうな青春を諦めていた琥太郎。そんな彼にも、出会いは衝撃的にやってくる「食パンを咥えたまま走るのが夢だったんです! 青春ってそこから始まるじゃないですか!」妙な絡み方をしてきたのは、「青春」にやや歪んだ期待を寄せる変人のお嬢様・天津風撫子。長い闘病生活から奇跡的に回復して無事高校に入学したという彼女は、琥太郎を巻き込むかたちで「アオハル・パーティ」なる謎部活を立ち上げ、様々な騒動を引き起こしていく。ところで本人は気づいていないけれど、どうやら天津風が青春を満喫できないとこの世界は滅びるらしい。そしてちなみに、彼女は僕に惚れているとのこと。……つまり、世界の命運は僕次第!?

■感想
サイボーグに超能力者に暗殺者、そして変な部活結成とあの人気作を彷彿させる設定。病弱なヒロイン・撫子の青春を楽しみたいという無邪気な願いと主人公・ 琥太郎に対する一途な想いがストーリーの根底にあって心を掴まれた。ラブコメ寄りな分ハルヒとはきちんと差別化されているんだなと。
琥太郎の機転とガッツによってその場は何とかなったけど問題を先送りにしただけなので早く解決策が出て欲しい。メインキャラはそれぞれ目的があるけど最後は一致団結しているのが読んでいて気持ち良かった。琥太郎の恋の自覚が思ったより早かったかな、続きがあるならもうちょいじれったい方が好みだったかも。