黒獅子城奇譚(★★★★☆)

放浪の騎士グレンと神官を装う魔術師リューは旅の途中、雷雨に襲われ、黒獅子城と呼ばれる古い砦に逃げ込んだ。そこで二人は、同じ雨宿りをしていた先客たちと出会う。視察を終えた若い二人の騎士とそのお目付役。義眼の老騎士。商魂たくましい商人一家。貧しいがどこか油断できない吟遊詩人、しっかり者の町娘。それぞれ癖のある旅人たちが一夜を明かす中、語られる黒獅子伯の伝説と、彼に倒された魔術師の噂。そして古城に潜んでいた魔物の襲撃。様々な事件が起こる中、老騎士タングレーが遺体となって発見される。陰謀と伝説の絡みあう廃城の片隅で、グレンとリューは事件の謎に挑む。

放浪の騎士・グレンと神官を装う魔術師・リューは雷雨に襲われ、古い砦に逃げ込みそこで殺人事件に遭遇してしまう。ファンタジー+ミステリーの二つが一気に味わえるという意味では良作だと思う。ただ最後に犯人を含めて登場人物たちの関係が明かされるが、少々ご都合主義に感じてしまう面もあった。
グレンは誘拐された妹を探すため、リューは故郷を襲った人間に復讐するために旅をしている。二人の信頼関係は読んでいて心地いい、最後はちゃっかりプロポーズしとる…!濡場ががっつりあったのには少し驚きました、挿絵もあったし。綺麗に終わっていますが、またこのコンビでミステリーをやるなら読んでみたいです。