血翼王亡命譚 (2) ―ナサンゴラの幻翼―(★★★★☆)

シリーズ2冊目。前回のあの内容からどんな風に続けるのか不安だったんですが、そんな心配は無用だったようで今回もとても上質なファンタジーを読ませていただきました。アルナを喪った悲しみから未だに立ち直れないユウファ。喪ったものを取り戻すことはできないし、その代わりになることもできない。でも他者を頼り、一緒に生きていくことはできる。落ち込むユウファを必死で元気付けようとするイルナが健気でした。ユウファだけではなく、イルナ・スゥ・ベオルもアルナを喪った悲しみと戦っていて早く立ち直ってほしいなと。
ナサンゴラのからくりには驚いた。ジルとサーニャの関係は誰がなんと言おうと親子ですよ。最初は無気力だったユウファがジルたちの為に戦う姿は読んでいて熱いものが込み上げてきました。それにしてもユウファもてますね。イルナがやきもちをやいてるのが可愛い。次回は9月発売で、ついに女王と対峙するとか。楽しみです。