晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と (★★★★☆)

講談社タイガ創刊ということでまずは野村美月先生から。表紙のイラスト通り心が温かくなるようなお話でした。主人公の春近がいつも恋する相手はなぜかいつも人妻。今度の恋の相手はひまわりのような笑顔を浮かべる人妻のひまりさん。日常生活が上手くいなくて塞ぎ込んでいた春近はひまりさんに出会ったことによって思いやりを持った好青年へと成長していく。脇を固めるキャラたちも魅力的で、個人的には恋愛対象がお年寄りの巴崎が好き。自分の好きな人の死を看取りたい、とか恋愛観が大人すぎて驚いた。名前だけ出てきた図書館王子が気になる。
犬の有海さん可愛い!でも最後は人間の有海さんがひまりさんの元へ帰ってきたようでひまりさん的にはハッピーエンドですかね。人妻に恋している以上自分の思いが実るのはとても難しいことで、そんな苦しい思いをひまりさんに吐露している場面が切なかった。ひまりさんは春近の思いに気付いているみたいですね。だからこそ最後に自分の思いよりもひまりさんが幸せになることを優先させた春近がかっこよかった!最後は「晴追町に住む人たちの願い事が、みんな叶いますように」だなんて本当に良い子だ・・・!春近の思いが実ってほしいけど難しそうですね・・・。