男爵無双

■感想

華族の生まれでありながら落ちこぼれの烙印をおされていた余一は目覚めたら異世界の田舎貴族に転生していて···。

まだ序章でこれからストーリーが盛り上がっていきそうな印象。転生後も貴族というしがらみにうんざりしつつも、両親に愛情を注がれて、ヒロイン・オリビアの覚悟に感化されて少しずつ貴族としての本来の責務に気付いていく様子が丁寧に描かれていました。

リビアの行き当たりばったりの行動にイラッとしましたが、そもそも幼い子にそこまで責任を感じさせる環境が悪いんだよね。ルシウスが無双過ぎるので逆に弱さを抱えながらも頑張るヒロインの方を応援したくなった。

シャーロック+アカデミー Logic.3 カラスが虹に染まる時

■感想

シリーズ3冊目は街中で大量発生する模擬事件を解決する、という総合実技テスト編。短編みたいに色々な事件が登場、ワクワクしながら読み進めました。新キャラも続々と出てきましたが皆癖が強くてカオスだった(笑)

未咲をあらゆる手を使って邪魔してくる穂鶴、一つ一つの言動が嫌味過ぎてここまで嫌な奴を作れるのが凄い。だからこそ土壇場で活路を見出した未咲がカッコよかったですね、本当にスカッとした展開でした。

そしてヒロイン力全開のカイラに押され気味の未咲が面白かった。誰にも言えなかった詩亜との複雑な関係とも向き合えたようで何より。

薬屋のひとりごと 15

■感想

いきなりの医官への抜き打ち試験に合格した猫猫は投薬実験の手伝いをすることに。その目的はとあるやんごとなき身分の病を治す為で···。

猫猫達が医官として虫垂炎に罹った帝の手術の為に奔走する15巻。帝の手術ということで失敗すれば死刑という重い雰囲気の中で、思わぬアクシデントにあいながらもやり遂げる精神力に拍手。天祐は猫猫にぶん殴られればいいと思う。

そしてお気に入りの阿多が登場してくれて嬉しい。帝との熟年夫婦のようなやり取りが好き、やっぱり帝の最愛は今も昔も阿多なんだなと。とりあえず阿多がずっと帝の傍にいる言ってくれて一安心。最後の猫猫と壬氏の食事シーンにほんわか。

平民出身の帝国将官、無能な貴族上官を蹂躙して成り上がる

■感想

平民出身を理由に新任帝国将官のへーゼン・ハイムは最前線に左遷されてしまうが、圧倒的実力で性悪部下や悪徳上官を矯正していき···。

主人公・へーゼンがとにかく己の道を行くタイプなので、上官であろうと無能なら容赦なしに踏み倒していくスタイルが爽快でした。ネチネチと意味のないことを延々と続けるモスピッツァの話をバッサリと切り込むへーゼンとの会話はまるでコント(笑)

レィ・ファが倒れた時にみせた冷静さに欠いたへーゼンはめずらしく人間くささが垣間見えて新鮮でした。数少ない常識人のロレンツォ大尉が癒やしだった···。へーゼンによって腐りきった国がどう改革されていくか今後の展開が楽しみ。

無慈悲な悪役貴族に転生した僕は掌握魔法を駆使して魔法世界の頂点に立つ ~ヒロインなんていないと諦めていたら向こうから勝手に寄ってきました~

■感想

とある小説の悪役貴族に転生したヴァニタス。いずれ起こる破滅の未来に抗い、主人公に奪われるヒロイン達と共にいる為に奮闘していくが···。

ヴァニタスにとってヒロインズはあくまで奴隷だけど、それでも誠実に彼女達と向き合って一緒にいられるように努力する姿勢がカッコよかった。妹分的なラパーナがかわゆす、まだヴァニタスを信用しきれていないようなのでどうやって心を開いていくのか楽しみ。

今回は下準備のような段階で次回から学園編で本格的に主人公も絡んでくるようなので期待大。メインヒロインはもちろんのこと婚約者も師匠も可愛いのでハーレムものとしては良作かと思います。

猫かぶり令嬢アリアの攻防

■感想

可憐な男爵令嬢と社交界で評判なアリアの裏の顔は精霊からの要請を受けて貴族から呪われた宝石を回収すること。しかし冷酷な美貌の聖騎士・ラウルに正体がバレてしまい···。

あらすじの「求婚しにきた」「いやなんで!?」の会話が面白くて気になって購入。アリアとラウルの攻防戦をニヤニヤしながら読了。ラウルが頑張ってアリアにアプローチするもののアリアがなかなか素直になれず大苦戦、こういうじれったい展開大好物です。

ドライに見えて実は根っからの人情派なアリア、終盤にベルタがアリアへ残したメッセージにジーンときた。番外編はとりあえず「バルトご苦労さま」といいたい(笑)

 

ほうかごがかり2

■感想

容赦なくキャラが退場させられていく疾走感のある展開に絶望しました、2巻でこのスピードは予想外。

臆病故に自分が担当する「無名不思議」を啓に任せたイルマ、卑怯かもしれないけど恐怖で逃げたいのは分かる。でもそれが仇となってしまう展開が業が深い。イジメられている留希の胸糞悪い結末も地獄だった···。

菊も時限爆弾を抱えているような状態だし、最後に惺もあんなことになるとは···。彼の一番の願いは啓を守ること、他の人など捨てて啓だけを守っていれば良かった、という本音に切なくなった。3人で仲良く話しているところをまた見たいです。