性春デイズ ~男子高校生の性の心理戦~(★★★★☆)

性春デイズ ~男子高校生の性の心理戦~ (LINE文庫エッジ)
■あらすじ
私立花ノ宮学園は、古くからある由緒正しい全寮制の男子高校。そんなむさ苦しい空間の中で、俺達腐れ縁の五人組は日々生活をしている。そして、男子高校生の心理戦は―いつも突然始まる。「なあ、この中だと、誰が一番デカいと思う?」雄の象徴。そのサイズや形状は思春期男子にとっては極めて重要な問題であり、時として人間関係を壊す爆弾にもなり得るのである。―これはいかに自分の手札を隠したまま相手の手札を暴くかという、思春期ピュア男子の心理戦(という名の日常)を描いた物語である。

■感想
男子高校生の性春事情を描いた一冊、というか殆んど下ネタ。読む人を選ぶかもしれないがここまで振り切っていると個人的には潔くて面白い。私は女なので何の大きさで男性がコンプレックスを抱いているのと同様に女性の場合は胸なんだろうなと密かに共感。櫻井頑張れ…!
くだらない会話の中で投下された唯一のシリアス成分は5人の関係性。櫻井が頑なに昔の呼び方を拒むのはそれだけ過去の暮らしが楽しくてそこから無理矢理にも抜け出そうとしたからなんだろう。 暗い話ばかり読んだ後に読むと調度いいかも。 5人がワイワイ騒いでいるのをもうちょっと覗きたいので続編希望です。

特殊能力統轄学院 叛逆の優等生と悪魔を冠する少女の共犯契約(★★★★☆)

特殊能力統轄学院 叛逆の優等生と悪魔を冠する少女の共犯契約 (MF文庫J)
■あらすじ
夜空に輝く純白の翼。降りそそぐ無数の雷撃。そんな超常の現象を引き起こす“脅威”と呼ばれる力。特殊な力を身に宿した少女たち“観測者”を保護、養成するための機関『特殊能力統轄学院』。しかし実態は理外の力を持つ彼女たちを隔離、統制、そして利用するための施設であった。日常を奪われた監獄のような学院島で、かつて機関に連れ去られた幼馴染のことを調べるため優等生を演じ監理官を目指す紫門。ある日、機関に隷属し、悪魔『アスモデウス』の称号を持つ少女と行動を共にする仮契約を結ぶことになり―。君を絶対に助けに行く、たとえ世界のすべてを敵に回したとしても。

■感想
自分が想像した設定を特殊能力として身に付けた少女たちを監理する監理官を目指す主人公の紫門。異能力バトル全開でちょっとお腹いっぱい。紫門が幼い頃に生き別れになってしまった幼馴染、アスモデウスが会いたいと願う彼、二人の願いは似通ったものでその仲間意識を通じて諦めかけたアスモデウスを再起させる展開は熱かった。
紫門は大切な人に会いたいがために後戻り出来ない道を突き進んでいるんだなと。たとえ打算的だとしても罪の意識がある以上アスモデウスや烽火たちへの友情は本物だと思いたい。続きがあるなら読みたいです。

友人キャラは大変ですか? (8)(★★★★☆)

友人キャラは大変ですか? (8) (ガガガ文庫)
■あらすじ
最後の“四凶”キュウキを討ち果たし、ついに名実ともに“歴代最高の主人公”になった火乃森龍牙。俺、小林一郎が友人キャラを務めるこの異能バトルストーリーも、いよいよグランドフィナーレか…なんて感慨深く思っていたのも束の間、阿義斗が謎の軍勢を率いて異界へと攻め込んできた!それも四神ヒロインズのひとり、黒亀さんを従えて。なんだか訳がわからねぇが、俺の役割はこれまでと変わらねぇ。極力目立たず密やかに、龍牙を友人として輝かせるだけだ!―最強助演ラブコメ、新展開の第8弾!

■感想
シリーズ8冊目。亀のまさかの裏切りで混乱する一郎たち。悪魔にとりつかれてしまった亀だがいつもとあまり変わらず、バトル中毒だったのね。新たなる敵である七十ニ柱の悪魔も大した敵ではなく一郎たちにやられっぱなし、阿義斗もそれは予想していたようであくまで彼らを生贄としか捉えていないようなので反撃があるのだろうか。
そして一郎はますます友人キャラから遠ざかっていく存在に。かつては敵であったキュウキの宿主になるとは…、一郎とは気が合っているようだし可愛いので嬉しい展開。最後にとどめのように驚きの新事実が判明。続きが気になる…!

准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと(★★★★☆)

准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと (角川文庫)
■あらすじ
尚哉の友人・難波の元に不幸の手紙が届いた。時を同じくして高槻と尚哉は「図書館のマリエさん」という聞き慣れない都市伝説を知る。図書館の蔵書に隠された暗号を解かないと呪われるというが…。ほか、鬼神伝説が残る村で、一行は額に穴のあいた頭蓋骨を見つける。その直後、高槻に思いがけない受難が!?「この世はなんてたくさんの呪いに満ちているんだろう」―。高槻と、幼馴染の刑事・佐々倉の幼い頃を描いた番外編も収録。

■感想
シリーズ3冊目。不幸の手紙、暗号を解かないと呪われてしまう本、そして鬼神伝説が残る村が題材。全体を通して今まで人と関わろうとしなかった尚哉の成長を感じた。また尚哉にとって高槻の存在が大きくなっていて、尚哉が高槻の過去に踏み込もうとしても高槻がそれを拒絶することに尚哉がショックを感じてしまってるのが歯痒い。高槻の過去は佐々倉視点で少し判明しました。
不幸の手紙は結局のところ自分の気持ち次第ということか。図書館の話は切なかった、残された男子はどうなったのかな。せっかく療養に来たのに事件に巻き込まれる佐々倉が哀れ、二人の友情関係も好きです。

俺の家に何故か学園の女神さまが入り浸っている件 (★★★★☆)

俺の家に何故か学園の女神さまが入り浸っている件 (角川スニーカー文庫)
■あらすじ
健気美少女JKがめいっぱい尽くす、“放課後限定の同棲生活”スタート!自堕落な一人暮らしを送る高校生の俺・常盤木翔和。ある日同じ学年の癒し系美少女・若宮凛を空腹から救ったことがきっかけで、「受けた恩をお返ししたいんです!」
学校でもバイト先でも、彼女がついて回るようになり!?面倒見のいい凛は、バイト漬けでピンチな勉強を根気よく教えてくれて、部屋を掃除して手料理も作ってくれて……気が付けば、“放課後限定の同棲生活”が始まっていた!

■感想
卑屈なカースト底辺の主人公・常盤木翔和が癒し系美少女・若宮凛に押し掛け女房をされるラブコメ。とにかくヒロインの凛が健気で可愛い!掃除洗濯・料理・勉強と翔和が苦手なことをどんどん負担して尽くしていく。優しいだけじゃなくて芯も強いので翔和も凛の勢いにはたじたじで結局流されているところも面白い。
翔和は卑屈で合理的だけど根は優しくて憎めない奴。だからこそ凛も好きになったし、翔和の数少ない友人であるリア充の加藤も絡んでくるんだろうなぁ。とにかく甘酸っぱい場面が多くて糖分を求めている人にはオススメです。頬っぺたツンツンは狡いよ。半同棲は未来のためのシミュレーションも兼ねているとしか思えない。

美少年蜥蜴【光編】(★★★★☆)

ASIN:4065174228
■あらすじ
「美少年シリーズ」第10作目、遂に刊行!
眉美以外、全員行方不明になった美少年探偵団。眉美は彼らを探すため、手始めにメンバーの家族、リーダー双頭院学の兄にして美少年探偵団の創設者である、双頭院踊のもとを訪れる。そこで踊からあるアドバイスを受ける。「美術室へ戻れ」とーー。眉美はメンバーを見つけ出せることができるのか? 最後の事件が遂に始まる!

■感想
シリーズ10冊目。消えた美少年探偵団の皆を見つけるために眉美が立ち上がる。近い内に失明するかもしれない、それでも自分の眼を酷使して皆を探す眉美の頑張りに拍手。麗の問いかけは眉美の将来を暗示しているのかな、眉美がどんな答えを出すのかも楽しみ。最後の失明の痛みに耐えた後のリーダーの抱擁という展開に救われた。
胎教委員会の作戦も失敗かぁ…。美少年探偵団は指輪学園だからこそ輝けたのか、踊の言葉が正しくなってしまうのか。今回はほとんど眉美主体だったので不良君不足…!次回こそ皆で仲良くしているところを見たいです。

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 11.栄光の選別者(★★★★☆)

ASIN:4798620416
■あらすじ
かつてアルター王国を襲った災害、<SUBM>【三極竜 グローリア】。そのモンスターに近づけば死があふれ、遠くからの攻撃は効かず、打つ手をなくしたプレイヤーやティアンたちに暗雲が立ち込めていた。そんな中、それぞれの闘う理由を胸に3人の超級が立ち上がる。<月世界>、<無限連鎖><正体不明>。3人の超級が、“アルター王国三巨頭”と呼ばれるきっかけとなった史上最大の事件が今始まる。大人気VRMMOバトルファンジー超激熱の第11巻!!

■感想
シリーズ11冊目。かつてアルター王国を襲った三極竜グローリア、それに立ち向かった3人の超級・後に王国の三巨頭と呼ばれる者逹の活躍を描いた過去編。3人が王国の未来という重いものを背負いながらも死力を尽くして戦い抜く姿に熱くなり読みごたえ十分でした。フィガロのことを考えるとフォルテスラにはいつか戻ってきてほしいな。
いつもより制作サイド側の描写が多めでしたが、フィガロに厳しい言葉を投げたりなどチェシャはまともな方なんだろうな。3人の活躍の裏でしっかりと暗躍している犯罪王は相変わらず不気味。でもこういうキャラって必要ですよね…。